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初等教育巻頭言

新潟県小学校長会副会長 磯貝 芳彦 今だからこそあしもとを見つめて

新潟県小学校長会副会長
磯貝 芳彦

 日本の義務教育は, 学力面及び人間性育成面において高い水準を有していることが, 様々な調査結果等で指摘されている。しかし, 社会状況や家庭環境の複雑化や多様性等を反映し, 子どもたちや学校を取り巻く環境は日々刻々と変化している。多様な生活状況にある子どもたちへの対応,教育的な配慮に基づく個に即した指導・支援の充実,心の問題等,山積する課題も多岐にわたる。その対応は, もはや学校職員だけの力では限界にきていると言わざるを得ない。今まさに校長の学校経営の手腕,「確かなマネジメント力」が求められている。
 ところで,「教員だけの力, 学校だけの力」と言うと, 外部との連携・協働体制等に視点がいきがちになる。しかし, ここで留意しなければならないことは, まず, 内なる学校を有効に機能させておくことが必要と考える。そこで私は, 次の4 点を大事にしている。
① 目的を達成するための集合体として機能していること
② 目標の共有化を図り, 達成に向けて個の能力が発揮できる協力・協働体制が構築されていること
③ 互いに切磋琢磨できる人間関係が形成されていること
④ 個々の役割と責任の明確化が図られ, 構成員に自覚されていること
 前述の4 点の具現化において, 校長は大きな役割を担っているが, よくよく考えてみれば, 実は日常における取組を着実に推進することによって実現されていくことが多いとも言える。例えば, 校務分掌を作成する際,「適材適所の配置」を考えるが, 職員数が限られ,勤務歴や専門分野等も異なり,苦慮する。そのようなとき,「ベストより,ベターを」の姿勢で臨み, 資質・力量は組織内で高め, その営みを学校力の向上に結び付けていくこととしている。このことによって参画意識が高まり, 活性化が図られ, 教職員は「生きがい・やりがい」を実感することとなる。生きがいは, 多忙感解消の糸口にもなり得る。具体的な取組においては, 状況把握と分析, 適切な指導助言が不可欠であるが, 日々私たちが大事にしている教室訪問や授業参観,週予定案等の利活用に活路を見出すことができる。と同時に「教務室の要」である教頭との連携も重要視しなければならない。私は,「お互い辛口の同僚で」を合言葉としている。
 学校内部組織が横断的に連携し, 有機的に機能している姿があってこそ, 次の段階となる, 地域の人材や専門職の教育活動への主体的な参画, コミュニティスクールや地域の教育支援団体等との行動連携が円滑に図られていくものと考える。そして, これまでの学校の姿から, 開放型の学校へと真の質的転換が図られ, 未来社会を見据えた教育の推進へと結びついていくと考える。
 『いまこの1 秒の集積が1 日となり, その1 日の積み重ねが1 週間, 1 ヵ月, 1 年となって, 気がついたら, あれほど高く, 手の届かないように見えた山頂に立っていた, というのが私たちの人生のありようなのです』これは, 京セラ創業者である稲盛和夫氏の言葉である。この意味を考えたとき, 校長の役割と取り組むべきことを再認識させられる

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