1 新しい歴史の1ページ
平成23年4月、旧山辺里小学校と門前谷小学校が統合し、新生山辺里小学校が誕生しました。地元村上産の木材をふんだんに使った優しさと温もりのある真新しい校舎に、子どもたちの歓声が響きます。
学校の教育目標は、「夢に向かって豊かに学ぶ子」です。子どもたち一人一人がもっている多様な可能性を最大限に引き出し伸ばし、自信をもたせ、夢や希望に向かって歩み続ける力を育みたい。そんな願いを込めた学校の「夢」です。その夢の実現に向かって、地域とともに、これから語り継がれる新しい歴史の1ページを飾る営みが始まりました。
2 開校2年目の挑戦
教育課題は大きく2つに集約する形でグランドデザインに示しています。
その1つとして「山辺里だからできる教育」を掲げて、子どもたち一人一人に「生きる力」を育む教育課程を編成し、着実な実施に努めています。これは、子どもたちの特性、教師の持ち味や教職員のチームワークのよさなどといった学校の内にある「強み」を生かした教育を充実させる営みです。全校で重点的に取り組む内容を「9つの柱」として設定し、知・徳・体3つのプロジェクトチームが、それぞれの取組を「アクションプラン」として具体化しています。
柱の1つである「一人一人が生きる学級づくり」では、①温かい人間関係に支えられた集団づくり、②生活や学習のルールが定着した集団づくりに取り組んでいます。今年度は、「学級力」の考えを参考に、子どもたちが参画する学級づくりを全校で進めています。
また、「共に学ぶ授業づくり」では、①個に応じた指導の充実、②学び合いを充実させる学習課題と学習活動の開発・充実に取り組んでいます。スキルタイムや算数の少人数指導によるきめの細かい指導に加えて、今年度は、「授業ミーティング」を毎週確実に実施し、Web配信集計システムなどを活用した授業づくりを具体的に進めています。
もう1つの教育課題として「山辺里でなければできない教育」を掲げて、地域の特色を生かし、地域と連携した教育活動を推進しています。これは、恵まれた自然環境や学校の周辺環境、協力的な地域人材などの学校外部の「強み」を生かす教育活動です。
「9つの柱」の1つ「家庭・地域と連携した学校づくり」では、①豊かな社会性や人間性を育む取組の充実、②総合的な学習・生活科単元の開発に努めています。学校が進める「あいさつ運動」に地域の方から「あいさつボランティア」として参画してもらったり、子どもたちが地域に出かけてボランティア活動を行ったりしています。また、市が推進している「郷育のまち・村上」の地域コーディネーターを活用して地域学習の充実を図っています。
3 創るべき伝統
開校したばかりの山辺里小学校ですから、培ってきた「守るべき伝統」はありません。それ故に、これから長い歴史を通して語り継ぎ、培っていくであろう「創るべき伝統」を掲げて実践を積み重ねていかなければなりません。開校2年目を迎え、職員一同、気持ちを新たにしています。 |