明治6年に、信濃川と魚野川との合流の当地に、中山校の名称で開校して以来、幾度の学校統合を経てきた。この間、学校は地域の「拠点」として、信頼と尊敬のもとに快く受け入れられ、絶大な支援のもとに教育活動を進めてきた。特に、中越大震災とその後の学校統合、そして長岡市との合併では、改めて学校教育に対する「地域力」の高さを理解することができた。
長岡市の一小学校として、これまでの活動を土台にして教育活動を積極的に進めている。
1 学習素材の宝庫(川口)の活用
川口・長岡を知り、誇りに思う気持ちを高めるために、総合的な学習で地域素材を取り上げている。
3年生は、施設や人、特産物を調査し、地域のよさにたくさんふれている。
4年生は、信濃川と魚野川の水質や生き物調査、水辺の学習の場(アクアランド)での活動から、環境の大切さを学んでいる。また、旧石器時代の遺跡を学習して、先人の知恵や工夫に驚きと敬意を抱いている。
5年生は、米作り体験を通して稲作を主とした地域の農業を知り、食糧生産の大切さや安全性、これからの「食」について考えを深めている。
6年生は、地域の福祉や文化・歴史を学び、地域に対する思いを深め、これからのふるさとの未来や白分の在り方について探っている。
また、幸運にも、地域には絵本作家の松岡達英氏が在住している。旧木沢小学校で、川口の野草や昆虫などの観察の仕方、描き方を直接指導いただいている。児童は何気なく見過ごしていた世界が、素晴らしい自然の宝庫であったことに気付き始めている。
さらに、描いた絵を絵本にまとめる。こうした活動を通して、自然や生命を大事にする心を育成していきたい。
2 子どもの学びのステージづくり
当校では、2保育園と1中学校、そして地域との連携を密にしてきた。
保育園とは、園児が来校して一緒に遊んだり、児童が保育園を訪れたりして、円滑な入学を図る手立てを講じている。また、職員同士も連絡会で情報交換し、入学後の指導に役立てている。
小・中学校では、隣接している地の利を生かして、学力向上、生徒指導、特別支援教育、保健指導について、共通理解を図りながら児童・生徒の教育活動を進めている。
地域との連携は、各教科、道徳、総合の学習、読み聞かせ等で、保護者や地域住民の協力をいただいている。児童は、緊張感を抱きながらも、交流を重ねるたびに、楽しそうに活動に浸っている。また、「子ども安全見守りたい」の老人クラブから、年間を通して登下校における安全確保の支援をいただいている。
新教育課程の完全実施と二学期制移行が来年度に控えている。児童にとって、学校が楽しい学びの場になるように職員一丸となって取り組んでいる。 |