妙高小学校は、「妙高山が見てござる」と人々が崇める霊峰妙高山と同じ住所に建つ。旧妙高村唯一の小学校であり、5校あったすべての小学校の伝統を受け継ぐことになった学校である。
妙高地域は、豪雪地帯であり、生活も遊びも鍛錬も雪と大きくかかわり、クロスカントリースキーを中心にオリンピックをはじめ、世界で活躍してきた優秀な選手を送り出してきた誇りと伝統を受け継いでいる。
社会的なスキー離れに呼応するように当校でもスキー離れが進み、スキー王国復活への地域の期待が大きくなっている。しかし、スキー最優先の取組だけでは、保護者や地域に信頼される学校には成り得ない。スキーを充実するためには、知・徳・体のバランスの取れた教育課程を編成し、すべての教育活動の充実を図る必要がある。
1 まず、音読100回
知育の分野では、「学ぶ力を鍛える」という目標を設定し、「基礎・基本を使いこなす力をはぐくむ」ために、「まず、音読100回」を合い言葉に全校体制で取り組んでいる。
妙高市で活躍する市民劇団の座長であり、俳優であり、演出家という多彩な才能をおもちの方を特別非常勤講師として迎え、発声練習をはじめ、音読を楽しむ学習などに全学年で取り組んでいる。
取組の2 年目となる今年は、子どもたちがはっきりとした声を発することができるようになってきた。全校集会では、マイクを必要としなくなり、学習面にも確実に効果が表れている。
2 まず、笑顔のあいさつ
徳育の分野では、「思いやりの心をはぐくむ」という目標のもと、「ここちよい集団を織りなす力を培う」ため、「まず、笑顔のあいさつ」の習慣化を目指して取り組んでいる。
1つの学年が、1週間全校にあいさつを働き掛け、次々と引き継いでいくあいさつリレーの運動を展開したり、子どもたちの素敵な笑顔を紹介するコーナーを設置したりして、笑顔のあいさつのすばらしさが浸透するように工夫を凝らしている。
3 まず、たっぷり運動
体育の分野では、一人一人の生活力を高めることをねらった「活力を高める」という目標を設定し、「元気はつらつと生活する力を養う」ため、「まず、たっぷり運動」を掲げている。
スキー復活の期待に応えるためには、各種大会での選手の活躍も重要であるが、底辺を拡大し、ボトムアップによるスキー活動の充実を目指している。オリンピックに出場したあこがれの先輩をコーチとして教科体育に招へいし、子どもたちの興味関心を高め、練習意欲を高めることに努めている。全校の子どもたちが雪に親しみ、スキーの技能を高めながら、スキーのメッカ妙高を故郷として誇りに思ってくれることを目指している。
そのため、学校評価を積極的に活用し、力を注いでいることや子どもたちの活躍を保護者や地域に伝え、知・徳・体のバランスが取れた教育活動の取組をアピールしている。様々な活動が少しずつ高い評価を得られるようになってきたので、スキーでも今年度、校内スキー大会の復活を宣言した。
当校の特色であるスキー活動の充実は、当校のすべての教育活動を充実させることを意味する。このことを全職員で確認し合い、「一人一人の輝く個性がりりしい集団を織りなす学校」を目指して、日々の活動の充実を図っている。 |