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郷土風土記
雪・自然・農が織りなす温もりと躍動のまち十日町
十日町・水沢小学校

 十日町は国内有数の豪雪地帯で、毎年の平均積雪量は2メートル以上である。しかし、この積雪が豊かな水をもたらし、春には山菜が芽を出し、夏には河岸段丘や棚田に広がる水田を満たすなど、山の自然環境を守るとともに、観光にも重要な役割を担っている。
 松代・松之山の棚田をはじめ日本3大渓谷の1つである「清津峡」、樹齢約80年のブナ林「美人林」、日本3大薬湯の1つ「松之山温泉」などに多くの観光客が訪れている。

1 国宝火焔型土器
 市の中央部を南北に流れる信濃川の両岸には、河岸段丘が見られる。十日町盆地につくられた段丘面は9段を数えることができ、市街地のある面は段丘面の最下位の9段目に位置する。
 市内では縄文時代中期の遺跡数が多く、笹山遺跡からは火焔型土器が王冠型の土器を含めて20個体以上出土している。笹山遺跡から出土した火焔型土器をはじめ、他の土器などを合わせ928点が国の重要文化財(国宝) に指定されている。

2 織物のまち十日町
平成21年2月 雪のステージ この地域では、300年以上の前から、雪解けの豊富な水と冬の気候を利用して、魚沼地方では最も早く絹織物が織られてきた。
 柏崎の縮商人が京都西陣の明石ちぢみを見て、雪国で湿度が高い十日町の方が優れた製品ができるのではないかと考え、勧めたのが発端といわれている。20年を越える苦労の末「夏物と言えば明石、明石と言えば十日町」と言われるほど全国にその名をうたわれた。十日町小唄は、「明石ちぢみ」を売りだすためのコマーシャルソングとして昭和4年に作られた歌である。

越後名物数々あれど
明石ちぢみに雪の肌
着たらはなせぬ味の良さ
テモサッテモソジャナイカ
テモソジャナイカ
娘盛りを何ょして暮らす
雪に埋もれて機仕事
花の咲くまで小半年
テモサッテモソジャナイカ
テモソジャナイカ

 十日町雪祭りは日本ではじめての雪祭りとして有名である。雪のステージでは着物ショーや歌謡ショーがある。

3 合併新十日町:大地の芸術祭
「絵本と木の実の美術館」(旧真田小学校) 平成17年4月1日、旧十日町市、中魚沼郡川西町・中里村、東頸城郡松代町・松之山町の5市町村が合併し、人口約6万人の新「十日町市」となった。
 アーティストや住民が美しい里山や空き家などとかかわる「大地の芸術祭」が、平成12年から3年に1度開かれている。今年は4回目となり、作品鑑賞者数及びステージ入館者数は35万9905人となった。
 今回は閉校となった小学校の校舎を利活用した廃校プロジェクト(旧真田小学校、旧東川小学校)にそれぞれ3万人が訪れた。また、世界のトップアーティストが手がけた空き家作品「もう1つの特異点…二ツ屋」「ストーム・ルーム…土市」「静寂あるいは喧騒の中で…桐山」「家の記憶…下鰕池」にそれぞれ一万人を超える人が訪れた。

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