目の前に370名の児童がいる。どの子も話好きで表情が豊かである。川崎東の児童のこのような特質は、以前に勤務した職員が、地域・家庭の要請に迫られて、長い間かけて育ててきた「児童の姿」、学校の伝統が結実した姿であるように思う。
1 プレゼンテーションを活用した生活指導朝会
当校は、10 数年前は荒れた学校であった。乱暴な児童がいたので、今でも音楽室の壁は穴だらけである。立て直すために、当時の職員は、県小教研指定の「生徒指導研究会」を開催した。この時、全職員が取り組んだのが、「生活指導朝会(さわやか朝会)」であった。
学級単位の生活指導ではなく、全校単位の生活指導を構想した。この利点は、全職員が同時・同空間で統一した生活指導を実施できること、規律ある学級の児童が乱れた学級の児童を巻き込む集団の規範力を期待できること、の2点である。全校対象なので、大スクリーンを活用した映像のプログラムを作る等が必要になる。全校の実施なので、教職員の組織的な協力が必要になる。この全校体制で荒れを改善した。全校対象・全校体制が学校の教育力になる。
以後、プレゼンテーションを活用した全校集会づくりが当校の財産となっている。
2 アニメーションを活用した授業改善
4年前には、北陸四県数学教育研究長岡大会の小学校授業公開校となった。この時、全学級でアニメーションを学習教材とした算数授業を実践した。主張は、パワーポイントで1時間の算数学習プログラムを自作したことである。今の児童は、アニメーション、シミュレーション、パソコン、デジタルコンテンツになじみが深い。授業への集中が絶大であった。
プログラムの作成には時間がかかる。ある教諭は、夏休み中かかって1単元分を自作した。こんな挑戦ができたのは、伝統の「生活指導朝会」の映像づくりがあったからである。
職員の頑張りが、学校の教育力になる。
3 児童のパフォーマンスで進行する学校行事
現在当校では、すべての学校行事を児童のパフォーマンスで進行している。児童主体の学校行事で全校児童が交流し、心を醸成している。伝統の表現力が磨かれてきた。
学校ぐるみの教育活動は、良い子どもの姿となって表れ、やがて学校の伝統となって受け継がれる。これを継承するため、職員の力を結集して学校の教育力として高めていくのが校長の使命である。 |