1 はじめに
当校の「豊かな心の育成」では、次の4点を取組の重点としている。①地域を愛し地域に密着し、人とかかわる体験活動の充実②よりよく生きる実践力を重視した道徳指導と児童会活動の充実③想像力や思いやる心を高める読書活動の充実④あいさつや言葉づかいなどのコミュニケーション・スキルの育成。
ここでは、よりよく生きる実践力を重視した道徳教育の取組について述べたい。
2 縦割り班活動の改善
当校は、毎日の清掃活動や児童会行事、学校行事などで積極的に縦割り班活動を推進してきた。年度当初から高学年が意欲的に自分の班の新1 年生を遊びに誘うなど、自然な雰囲気で学年を超えて交流する姿が見られた。
そこで、校長として、よりよく生きる実践力の視点から取組の改善を促してきた。そして、今年度は、これまで学年部ごとに実施していた遠足を「全校なかよし遠足」に変えた。
そのことで、上学年が下学年を支えて自分のよさを発揮したり、下学年が他学年とともに自分の役割を果たしたりするなどの実践力の向上を目指している。
3 「ふるさと意識」の高揚
当校は、上越市吉川区の唯一の小学校であり、保護者・地域住民の教育活動への支援は大きい。生活科・総合的な学習の時間を中心として、様々な体験活動の中で児童は地域の皆さんとかかわってきた。
そこで、校長として、「ふるさと意識」の高揚に焦点付けた体験活動の実践を促してきた。ふるさとの人にかかわる体験活動では、場に応じたあいさつや礼儀作法、相手の思いをあたたかく受け止めようとすることなど、学ぶことがたくさんある。そして、ふるさとへの誇りや自信の高まりは、そこで生きる児童の規範意識や自他を大切にする心の高まりにつながると考えている。
4 おわりに
よりよく生きる実践力の育成は、今年度スタートした「深めよう絆県民運動」で重視されている「社会性の育成」と関連する。人は人と豊かにかかわりながら、人として成長していく。
当校でも、児童同士のかかわり、ふるさとの人とのかかわりを大切にし、意図的・計画的に取り組んでいく。そして、学校教育全体を通じて、児童一人一人のよりよく生きる実践力の育成に全教職員で努めていく。 |