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提言
危機意識の醸成と実効性ある取組
上越・富岡小学校

 教職員の非違行為、児童生徒の非行・問題行動、個人情報流失事故、メールやインターネットを介したトラブルや非行等が後を絶たない。「事件・事故はいつでも、どこの学校でも起こり得る」「危機は日常の中に潜んでいる」ことを念頭に置きながら危機感をもった学校経営が求められている。

1 日常的な危機意識の醸成
 スピード超過運転、個人情報流失事故など職員の事故は危機意識の欠如ないしは希薄化した状況の中で起こる。これまで幾度となく通知や通達が出され、それに基づく取組をしてきているが、依然として根絶できずにいる。確かに職場は多忙化が進み、ストレスを抱える状況にはあるが、根本的には、一人一人が「自分が非違行為や事故を起こしたら」という危機意識をもち続けられるかどうかにある。職員数の少ない当校は、月1回、職員会議の際に「自己チェックポイント」による振り返りと、万が一、事件・事故を起こしたときの「怖さ」「悲惨さ」「子供や保護者の被害」等を書き綴っている。心の問題であり、日々刻々心理状態は変化するという難しさはあるが、職場の中の危機意識を醸成していくことが何よりも重要であると考えている。

2 マニュアル等の見直しと実効性ある取組
 学校防護規程、プール管理規程、救急事故発生時の内規、個人情報保護に関するガイドライン等、幾つものきまりやマニュアルがある。必要に応じ、職員会議でも確認している。
 しかし、時と共に状況は変化している。形式化していないか、組織的、総合的に機能するのかという視点での確認と改善が必要である。昨年、不審者侵入時の訓練を行った。訓練終了後、達成状況の評価と新たな課題を確認し、改善策を共通認識した。職員には、マニュアルどおりにいかないこともあるだろうが、具体的に、かつ最悪の事態を想定しながら、実際に生きて働くものに改善していくことの重要性を指導している。

3 問題発生時の適切な対応
 「いつでも、どこでも」の認識の下、「いざ」の時は、慌てず騒がず、正確な情報収集や状況判断に基づき、緊急対応マニュアルに沿って、対応方針を職員と共有し、役割分担を明確にするなど冷静な対応を心掛けたい。特に、教育委員会との迅速な連携が重要であると考える。
 危機意識をもつことは、単に危機を怖がることではない。危機を認識し、危機を防ぎ、危機が発生したときの的確な対応を考えることである。

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