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初等教育巻頭言

新潟県小学校長会 会長 大野 雅人 「ルーティーン」のすすめ

新潟県小学校長会
会長 大野 雅人

 この春、桜花が咲き誇る頃、毎朝児童玄関で同じ儀式をしてから教室に向かう児童を見ていたら、「ルーチンなんです」と学級担任が教えてくれた。
 「ルーティーン(routine)」は「決まりきった日常の仕事や所作」であり「日課」「習慣」を指し、決められた一連の動き、一連の動作が伴い、決められた行動を行うことで、自身のリズムを整えることができる効用があるという。
 
 海の向こうで来季も現役続行を目指すイチロー氏は、打席に入ってからの同一の一連の所作が有名だが、ほかにも、マリナーズ時代のホームゲームの昼食は毎食カレーで、球場入りから試合開始までの作業、練習、試合後の作業、さらにベンチを出て打席に入るまでの流れもルーチン化されている。十年ほど前になるが、「プロジェクトX」で、イチロー氏は次のようにコメントしている。

  • 大切な時に集中できるように、他の雑事はルーチン化していき、考えないでいい状況を作る。
  • 最高のコンディションで大切な時を迎えることができるように、しっかりとしたルーチンで準備をしていく。

 無意識で行動できるまで、身体が勝手に動くまでにルーチンを徹底することで、貴重な注意力を一打席に集中させていく無二の決意が伝わってくる。
 アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの元司令官J・ウィリンク氏は、自身のタスクユニットに「自己管理は自由につながる(Discipline Equals Freedom)」というモットーを注入した。確立された手順とガイドラインを作り、守り続けることによって、手順に手間取ることなく、目の前のミッションに集中でき、想定外の事態にも対応できるからだという。そんなウィリンク氏には、翌日に備えて、就寝前に行う二つのシンプルな習慣がある。

  • 早朝トレーニング用の服を枕元に用意する。
  • 翌日のTo-Do リストを前夜のうちに作成・確認しておく。

  「近所の散歩、ジョギング、ウェイトトレーニングでも何でも構わない」が「血行を促進し、やるべきことに向けて頭を切り替えるために何かすべきだ」また「朝は何も考えるな」「人は朝起きると考え始める。考えるな。計画を遂行しろ。計画は〝アラームが鳴ったら起きる。運動する〟やるだけだ」と。
 両者に共通しているのは、「注意力を雑事や迷うことに浪費させない」「真に重要な事だけに注意力を集中させる」という比類なき堅固なプロ意識である。校長としての職務を遂行する上でも、ルーチンへのこだわりが、クリエィティブな仕事の取組の段取りとなり、集中力を高め、スピード感のある質の高いリーダーシップの発揮につながるのではないかと思う。そして、案外、それが校長職を楽しむことにもなるのかもしれないのでは、とも思う。
 ちなみに、毎昼カレーを食べたのはイチロー氏だが、私も出張時、弁当の時を除き毎昼カレーを食べている。なんだか「ちょっとかっこいいかも」である。

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