この夏、「ウォーターボーイズ」(平成15年フジテレビ系ドラマ)の再放送を目にしました。当時を懐かしむとともに、「男のシンクロ誕生秘話」(令和6年5月12日付読売新聞)という新聞記事を保管していたことを思い出し、読み直しました。この記事は、今から約40年前に埼玉県立川越高校で誕生した「男のシンクロ」に関わった方々(ドラマのモデルとなった方々)の話でした。今とは違う時代背景で、どのようにして「前代未聞(当時の水泳部員談)」の活動が生まれ、映画化にまで発展したのか。当時の水泳部員の話を中心に、熱い思いや実現に向けた動きが紹介されていました。
事の始まりは、「文化祭で爪痕を残したかった」「女の子に注目されたかった」とのこと。そして、水泳部員たちの熱い思いがゲリラ公演の成功を導きます。さらには、その10年後に自分たちからテレビ局へ売り込み、話題となり映画化へ。「新しいことを考え、誰もやっていないことに挑戦する精神は、水泳部で学んだ私の原点」。当時の水泳部員の言葉です。そして、多くの元部員が「新しいこと」を生み出す先駆者として、今も様々な業界で活躍しているとのことでした。この記事を読んだとき、彼らの姿に、これからを生きる子どもたちに育みたい姿を見ることができました。
次期学習指導要領に向けての審議会等が行われ、少し未来の教育のありようについての議論が進んでいます。9月25日には、「中央教育審議会教育課程企画特別部会」から「論点整理」が出されました。この初等教育が刊行されるときには、さらに議論が進んでいることでしょう。ここでは、これからの時代には「自らの人生を舵取りする力」が不可欠となり、主体的に社会参画する「民主的な社会の創り手」の育成も喫緊の課題であると示されました。ここで示された「これからの時代に重要とされる力や姿」は、まさに、先に紹介した「男のシンクロ誕生」に関わった方々の姿に重なります。
また、「論点整理」は、「学びに向かう力、人間性の再整理」にも言及しています。これは、「学びに向かう力等の育成は道半ば」という課題から示されたもので、今後、一層重視しようとする表れだと理解します。「学びに向かう力・人間性」は、言い換えると「学びに向かう原動力」「他者との協働」等、人間らしい資質・能力だと考えます。「男のシンクロ誕生」に関わった方々の「事の始まり」。高校生らしい「原動力」により突き動かされた彼らの「仲間や社会との協働」で切り拓いた人生に憧れを覚えます。
学校裁量拡大という方向性も示されました。私たち校長は、これからを生きる子どもたちの未来を想像し、自校の教育課程を創造的に取り組むことが必要になります。文部科学省が思い描く未来の教育を見据え、その学校らしさを大事にしながら。
気が付くと年度末が迫ってきています。私は、改めて目の前にいる子どもの未来の姿を思い描き、職員と共に次年度の教育課程編成に臨みます。
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