「教え考えさせる授業」「習得・活用・探求」「言語活動の充実」、今改訂のキーワードである。この中の「言語活動の充実」に興味をもった。なぜなら言語は知的・論理的側面だけでなく、情意的側面にも大きく作用すると明文化され、そこに寄せる期待の大きさがうかがえるからである。ではどのように言語活動を充実させていくか、私案を具体的に述べたい。
1 全職員の意識化とイメージの共有
言語活動の重要性を全職員で共有することがスタートである。職員の納得なくして日々の学習指導に反映されない。総則解説書の54 ページを読み合うことをお薦めしたい。
2 単元題材」覧表で言語活動をつなぐ
例えば4年の国語では新聞作りの単元がある。せっかく学んだ表現方法は繰り返し使わせて定着させたい。「新聞」は社会科や理科、総合等で活用できる場面が多い。単元題材一覧表で活用できる単元を線で結び、年間の見通しをもった活用ができるようにしたい。
3 指導案の項目に「言語活動」を
各教科の特質に応じた言語活動の充実が求められている。この実践化を図るため、研究授業の指導案に「本単元で重視する言語活動」「本時における言語活動」の項目を設けるようにしたい。事前・事後検討で「言語活動」の面から協議することで職員の意識化と指導法の研鑽が期待できる。
4 言語活動の視点からの授業観察
授業観察の折「計算方法を考えましょう」という指示に出合った。なぜノートに書かせないのか。ノートは子どもを思考活動へと誘うまたとない案内人である。言語活動充実の第一歩はノートの量的活用である。
「ノートに書いた考えを隣同士で発表します。廊下側の人が先です」別の学級ではペア発表を多用していた。発言に自信のない子でもペアなら話しやすい。相手の受容的な態度や共感的な反応が発言への自信を深めていく。
この例のように、教師によって言語活動の巧拙がある。言語活動の視点からの授業観察をし、工夫を広く紹介し、充実化へと導きたい。
「新しい学力観、教室の前で立ち止まり」前々回の改訂で言われた言葉である。この轍を繰り返すことのなく、今改訂のキーワードが教師の指導力、子どもの学力として確かに育まれるよう、本格実施に向け取り組んでいきたい。 |