1 「生きる力」を育成するのは何か
新学習指導要領では、「小学校における教育が生涯にわたる学習の基礎を培う重要な役割を担う」ことが改めて示された。それは、知識基盤社会における「生きる力」そのものである。
この「生きる力」の育成は、自らが生涯学び続ける「学び方」のスキルを身に付けさせる授業と「学校と地域・家庭」の力の融合によって可能となる。
2 「学び方」を身に付けさせる
学校では、かなめの授業に重点をおく。集団の中で多様で見方や考え方の違う子供たちがかかわり合うことは、個々の考えを広げる。かかわりを通して、「学び方」のスキルを身に付けさせる。そのことは、「考える力」や「学び続ける力」を高めていくことにつながる。この具現のためには、子供への働き掛けや手だてを適切に行える教師の力量が求められる。
新潟市では、昨年度からマイスターによる公開授業講座を実施している。新学習指導要領の内容に即し、すぐにでも自分の授業に活用できる優れた授業が参観できる。新たに設けられた外国語活動の授業も公開している。教師自らがこれまでの指導法を一つでも変え、高めることのできる機会を積極的に活用したい。
3 「学校と地域・家庭」の力を融合させる
「学校と地域・家庭」の力を融合させるためには、「学校と地域・家庭」の教育のベクトルを一つにしなくてはならない。そのために、地域には学校教育ビジョン、学校だより、校長室だより等を通して、学校が目指すものをリアルタイムに発信していく。PTAや自治会の会合を通してそのねらいを繰り返し説明し、意見を求める。
また、地域と学校のパイプ役「地域教育コーディネーター」と連携を図る。貴重な地域の人材を発掘するとともに、地域が学校に積極的にかかわれるシステムをつくる。
家庭には、食事、就寝時刻、家庭学習時間などの基本的な生活習慣の定着と親と子供のコミュニケーションの大切さを啓発していく。家庭学習の場に、親が存在することは、子供に安心感をもたらし、学習意欲を高める。そんな家庭での学びの環境づくりを構築していくことが欠かせない。
4 理念を自校の教育活動に生かす
新学習指導要領の理念を自校の子供や地域の実態に合わせて教育課程にどう具現化し、教育活動を充実させていくのか。そのためには、「生きる力」の育成に向けて「学校と地域・家庭」のベクトルを一つにすることが重要である。 |