新学習指導要領の実施により、外国語活動が新設され、5・6学年で各35時間の授業が行われる。授業者である担任には、英語によるコミュニケーション活動を設定する力が求められ、各校は、22年度末までに30時間の校内研修を行い、職員の指導力養成を行わなければならない。
1 南魚沼市の「国際科」の新設
南魚沼市では、本年度から市内の全小学校で国際科の取組を始めた。これは、文部科学省の教育課程特例校として、1~6学年までの全学年で英語学習と国際理解活動を行うものである。授業時数は、1・2学年10時間、3・4学年25時間、5・6学年35時間である。
新学習指導要領による外国語活動を先取りし、豊かな国際感覚とコミュニケーション能力の育成を目指している。
2 ALTの増員とOJTによる研修
南魚沼市は、国際科の実施に当たり、ALTを増員し、全時間にALTが参加できるようにした。現在、学級担任がALTと連携して指導案づくりを行い、TTで授業を進める体制をとっている。1学期は主にALT主導で、2学期以降は担任主導で行う。このALTと連携した授業は、担任が英語によるコミュニケーション活動の仕方を身に付ける絶好の機会である。日々の授業実践を通して、外国語活動の指導法を学ぶOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング On the Job Training)となっている。「①指導案づくり→②授業実践→③振り返り(評価)→④次の指導案づくり」のサイクルを繰り返すことにより、学級担任とALTの積極的な連携と活発なコミュニケーション活動が生まれ、子供を引き込み、子供が待ち望む時間となってきている。
3 研修ガイドブックと校長の指導性
校内研修には、文部科学省発行の「小学校外国語研修ガイドブック」が必読書である。
ガイドブックは、理論編、実践編、実習編の3部で構成されている。特に、実践編の授業研究の具体例、実習編のクラスルームイングリッシュは大いに参考になり、ALTとの打合せにも活用している。
ガイドブックの中では、校長の意向を前面に出すことが強調されている。特に、外国語活動に対する校長の基本的な考え方を職員に伝え、授業研究でも校長のリーダーシップを発揮することが重要とされている。
外国語活動の成否は、研修にかかっている。そして、研修の充実は、校長の外国語活動の理念と指導性にかかっていると言える。一職員の研修を進める前に、校長自身の学びの蓄積が必要であると自戒する日々である。 |