平成22年に5校が統合して開校した当校は、NTTの教育支援プロジェクト「教育スクウェア×ICT」事業に23年度から3年間取り組んだ。その後も関川村による整備が進み、特別教室も含めた各教室に電子黒板と実物投影機が設置され、1学級分のタブレット端末も導入されている。
新学習指導要領では、情報活用能力を、言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけている。ICTの整備は必須である。当校においては、恵まれた環境を活用した教育を進めることが、関川村や保護者からの期待に応えることになるのを念頭に取組を進めている。
1 ICTを普段使いできる教員の養成
4・5月は、転入職員のためのICTミニ講習会を実施している。当校では、朝、電子黒板をオンにし、使用できる状態にしておく等のICTスタンダードがある。それに早く慣れてもらい、電子黒板やデジタル教科書の利用スキルを身に付け、子どもたちの興味・関心を高めて、分かりやすい授業を行ってほしいからである。
2 タブレット端末の利用促進
電子黒板の扱いには慣れているが、タブレット端末についてはまだ尻込みをしている教員のためにプロジェクトチームを立ち上げた。このチームが、外部講師の力も借りて、タブレット端末を利用した模擬授業や動画撮影と活用の仕方、プログラミングソフトの動かし方、端末に書き込んだ情報を共有した協働的な学びについて研修した。
3 ICT支援員の配置で広がるICT活用
ICT活用が進む秋田県八峰町立小・中学校の視察で、最もうらやましく感じたのがICT支援員の存在だった。そんなICT支援員が関川村でも配置されることになった。機器のメンテナンス等が主な業務であるが、教材作成支援や授業中に端末がフリーズした際の復旧もしてくれる。端末を敬遠する理由の一つが不安定さにあったので、支援員は心強い味方となり、端末を利用する学級が増えた。
ICTの整備により、教育方法が全て変わったわけではない。現在、当校で力を入れているのは、振り返りのためのノート指導である。電子黒板等への書込みは基本的に消える。デジタルとアナログの使い分けが大切である。
関川村では、文部科学省のICT活用教育アドバイザー派遣事業に応募し、教育情報化推進計画の整備に取り組む。今後も行政と連携し、キラリと光る教育活動を推進していきたい。 |