1 はじめに
小学校で「運動の二極化」という言葉が聞かれるようになって久しい。残念であるが,運動から離れようとする子が増えているのである。運動を好まない子どもも必然的に運動する機会となるのが体育授業である。できることが増えてうれしい,みんなで動いて楽しい等の声がする日頃の体育授業の充実こそが,運動の二極化を解消する最善の方法であると考え,当校で次のように実践している。
2 当校での実践 |
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元気アップタイムと単元を支える運動(身体を鍛える)
「元気アップタイム」は,運動の基礎感覚を養い,運動に取り組みやすい身体にする運動である。「片足ケンケン」や「クマ走り」などの運動を全学年・学級で授業始めに行っている。また,主運 動につながる運動を「単元を支える運動」として加えて取り組んでいる。側方倒立回転につなげるための「カエルの足打ち」や補助倒立などである。 |
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思考を鍛える試す活動
思考を鍛える体育授業を目指し,動きを試す活動を中核に据え,動き方や身体の動かし方について思考しながら運動することを求めている。たった45分間の授業時間なので,「A.or.B」「ポイントとなる身体の部位はどこか」等,できるだけ子どもにとってシンプルな学習課題を設定するよう努めている。 |
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自主性を育む体力レコードと運動環境
少しでも自主的に運動と関わって欲しいと願い,「6年間の体力レコード」に取り組んでいる。50m走,ソフトボール投げの記録,水泳クロールの距離,マラソン練習のあしあと,縄跳びの記録の5種目の運動について経年変化が分かるように表とグラフで表す。自身の体力の向上を実感させ,日頃の運動とつながるようにした。さらに,子どもたちの運動意欲と結び付ける「チャレンジコーナー」を設置し,子どもたちに提供している。オープンスペースを利用した「ジャンプタッチの場」防護ネットに浮き輪を吊した「的当ての場」などを作り,意欲化を図っている。 |
3 おわりに
当校では,これらの体育の授業を中心とした実践を2年間にわたり,「沼垂小 体育まつり」として公開した。まだ研究の途中であり,課題も多いが,児童の体育・運動への意欲と取組方,集団行動の向上について教職員で効果を確かめ合っている。
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