1 はじめに
「急峻な肥満の傾向が見られる」という学校医の指摘に、最近の子どもたちの体つきを思い浮かべて納得できた。昨年度からの感染症拡大で、運動不足と食べ過ぎが原因と思われる肥満傾向が目立ってきていた。七割の児童がスクールバスでの登下校を行っていて、全体的に運動不足気味である。しかし、一方では休み時間に、積極的に教室を出て体を動かす遊びを楽しんでいる児童が大変多い。本校児童は、決して運動が嫌いなのではなく、環境を整えることで将来にわたって運動を愛好する気持ちと実行力を付けることができると考えた。そこで、体育面・健康面の取組を次のように進めている。
2 全校で取り組む「楽しさを感じられる授業づくり」
学校評価の体育面での取組を、昨年度は、体力テストの結果で評価するものから、授業づくりの結果を評価するものに変えた。このことにより、児童が「体育の学習が楽しかった」と言えるように、授業者は重点単元の授業づくりに工夫を凝らしてきた。さらに、今年度は、児童が苦手意識を抱きやすい単元を重点単元とすることとし、取組のハードルを上げている。児童にとって抵抗の感じられる学習内容でも、取り組ませ方の工夫によって学習が楽しかったと感じたり、自分の成長ややりがいを感じたりできるようにしていく。
3 小中学校合同学校保健委員会の実施
一小一中の加治川地区で、昨年度から、学校保健委員会を小中合同で行っている。各校での健康診断や体力テスト、健康課題に対する強化週間の取組結果を資料として、加治川地区の児童生徒の状況を会員で共有し、よさを認めつつ課題を明確にして、地域全体で改善に取り組めるようにと進めてきた。今年度は、資料や会員の意見に基づいた結果から、食生活の見直し、睡眠の重要さの再認識等、できることから始めようと地域全体に発信する予定である。小中学校ともに肥満傾向の割合が高いことから、特に、児童生徒や保護者には、運動の大切さや機会の確保を強調して呼びかけていく。
4 おわりに
健やかな体、健康的な生活は、一生の宝である。私たち大人が、児童生徒の幸せな将来を願い、取り組めることは多いと考える。協力体制を組み、地道に進めていく所存である。
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