子どもたちが巻き込まれる事件・事故・自然災害等は、昨今、予測が不可能なものが多い状況にある。学区には、交通量の多い国道や県道が近くにあり、大河、阿賀野川も流れている。平成23年7月の新潟・福島豪雨では、当校に避難所が開設された。避難してきた自治会の組織的でしっかりとした対応を見て、子どもたちの意識も高まった。これを好機とし、自分の身は自分で守るという意識と危険回避能力をより高めるため、各計画と活動の見直しを進めた。
1 意識・知識を高める防護・安全計画の見直し
形だけの計画では、子どもも保護者も意識・知識は高まらない。実効性の有無を検討し、より高めていくためには何が必要か、どう関連付けていったらよいかを視点に見直しを図った。そして昨年、緊急時引き渡し訓練と着衣水泳を新規に取り組んだ。緊急時引き渡し訓練は、経験のある職員がいなかったため、全員で一つ一つ具体的な場面を想定しながら取り組んだ。その中で、子どもも、保護者も、職員もこれまで見落としていた部分を確認することができた。下校時は、通学路を親子で歩き、損壊等が予想される場所で足元や頭上のものに注意し、どのように対応したらよいかを保護者が子どもに教える機会とした。着衣水泳は、子どもたちだけでなく、保護者の水の事故に対する意識と知識を高めるため、参観日に実施した。
また、当校の特色ある行事に全校ウォークラリーがある。保護者の協力のもと、縦割り班だけで、それぞれ学区内のポイントを、自分たちで計画した順で回る。この行事では、各学年に応じた安全指導を行うだけでなく、高学年には、自分たちであらゆる危機的な場面を想定して、どのように対応するかを考えさせることにした。そして当日、臨機応変に実践することで、危険回避能力を高める場としている。
2 地域・関係機関との連携
交通安全協会地区支会で行っている地域住民への研修会とタイアップして学校を会場に行うこととした。地域の人たちの参加の中で、警察署員の寸劇、講話を通して、子どもたちの交通安全に対する意識をより高めることができた。今後も、より効果が上がる連携を探っていきたい。
子どもたちは将来様々な地域や世界へ羽ばたいていく。だからこそ、現在の地域だけではなく、津波災害等、様々な地域で起こり得る災害や危険等に対応した危険回避能力を高めていく必要がある。様々な行事や活動を関連付けながら、保護者・地域と共に子どもたちの防災・安全意識を高める学校づくりを進めたい。 |