「災害は忘れた頃にやってくる」とよく言われる。
実際に,52年前の新潟地震のような災害が起きた場合に,454名,職員34名の命を守れるように対応するには,危機意識を児童・職員ともに,もっと高める必要を感じている。
自分の命は自分で守るためにも,どんな災害が起こるのか,どう行動したら自他共に安全なのかを考えさせたい。
訓練通りに,避難できれば命を守ることができると思う。しかし,予想外の多様な状況でも,児童・職員一人一人が,どのように対応するか考えられる力を養いたい。
例えば,放送機器が使えないときの連絡体制も実際には十分想定される。また,暴風雪など,天候との関係もある。
さらに,多くの避難者が学校に来られた場合の対応等も関係機関と打ち合わせをしておく必要がある。こうした準備があってこそ,臨機応変に対応できる力を養えると考える。そのために,次の点を重視した防災教育を行う。
1 安全教育計画の確実な実施と改善
当校の防災教育は,安全教育計画に位置付けられている。
災害安全の項目には,火災,地震・津波等の6つの災害対応がある。危険予測や安全な行動等が計画され,実施されている。マンネリ化に陥らないためにも,計画には漏れがあるという視点で,関係機関や地域の方からも計画を見ていただき,改善に役立てたい。
2 徹底した危機管理意識の醸成
昨年,大雪になった際,始業に間に合わない職員が数人いた。準備していても,避けられない状況は生まれる。だからこそ,普段から天気予報をはじめ,災害に対するアンテナを張っていなければならない。また,出張等の職員の動静,出欠・遅刻等の児童の確認も含め,普段から人の動きを正確に把握しているか,目を配ることが重要である。
3 「生きる力」をはぐくむ防災教育
自然災害に伴う危険を理解・予測し,自らの安全を確保するための行動がとれる児童を育てたいと考えている。そのためには,自然災害の原因や減災について理解を深めさせ,児童なりの的確な判断に基づく意思決定や行動選択ができるように訓練している。こうした学習の成果が日常の生活行動にあらわれてくる。日常の自分の行動を振り返らせることで,安全に対する予測や判断力を高めさせたい。
尊い命をひとつも失うことなく,災害に対応できる体制を築くために職員・保護者・地域と一体となって考えていきたい。 |