1 地域組織による地域教育力を活用した教育活動
当校は「いのち」を大切にし、守る教育活動の充実を掲げている。校長として、地域とともに子どもを守り、育てることを重視し、子どもが経験豊かに実感できる教育活動実現のために、地域の力は不可欠だと思っている。そこで、二葉小学校地域連携ネットワーク会議(通称二葉ネット)を発足し、様々な教育活動に参画をお願いしている。「二葉ネット」は、15の町内会、民生児童委員協議会をはじめ、PTA、おやじの会(父親の会)、二葉サークル(母親の会)、NPO法人、行政、社会福祉協議会等、11団体からの構成である。主な活動では、登下校時の見守り、図書ボランティアによる読み聞かせや生活科で畑仕事の達人による指導、昔遊びや焼き芋体験等で子どもの学びを深められた。中でも、防災教育にかかわる活動は、地域の目や専門家の指導、協力で災害時に役立つ知識と技能、思考力と判断力を仲間とともにかかわり合って身に付けている。
2 地域の歴史から学んだ防災教育の取組
(1) 地震災害を想定した引き渡し訓練
昭和39年6月16日に発生した新潟地震の日に合わせて、「災害時の引き渡し訓練」を実施している。当日には、合わせて定期の二葉ネット推進会議を開催している。基本は保護者への引き渡しだが、各町内会長等もかかわり、地域ぐるみの活動となっている。訓練の実際では、校長が当時の経験談を語り、教頭が活動の意義説明を行った。また、教務主任が全体進行し、学級担任が個々に子どもの名前と保護者の確認をして引き渡しを進めた。子どもたちは真剣に参加し、災害時の行動の意識を高めることができた。
(2) 羽越水害を教訓にした防災キャンプの実施
当校は、昭和41年、42年の大水害で一階が水没した経験がある。この教訓から、市宿泊施設を利用して防災キャンプを実施している。子どもたちは、着衣泳体験や避難所体験、ランタンづくり、洪水体験者による講話、サバイバルクッキング、町内の災害時危険箇所調査と発表活動、炊き出し体験を通して、緊急時の対応を理解し、共有できた。そして、調査でお世話になった地域の方々、災害時の観点を教えてくれたNPO法人の方々、炊き出しを行った二葉サークルの皆様に感謝の念を抱くことができた。
3 終わりに
そのほかに、防災授業や地域ぐるみの一斉避難訓練の実施がある。大切なことは、校長自ら危機意識をもち、危機管理に努めることである。また、地域連携の意識を高め、防災教育の活動を継続していくことである。これからも、結びつきを一層強くして、活動に取り組んでいきたい。 |