世界ジオパークに認定された糸魚川市は、日本を東西に分けるフォッサマグナの地であり、豊かな自然景観と共に、その複雑な地質構造から、古来より、地滑り、崩落、土石流、火山災害、雪崩等の災害が多い。当校は内閣府など主催の「防災教育チャレンジプラン」、兵庫県・毎日新聞社主催の「防災未来賞・ぼうさい甲子園」への挑戦、応募を続け、地域と共に防災教育を進め、4年目を迎えている。
1 防災教育推進の方針
- 教育活動を防災教育の視点で見直し、体系化しながら、関連するそれぞれの活動を整理・発展、再構成する。
- 地域住民参画の防災懇談会を開催し、学校と地域との双方向の関わりを深め、地域防災の構築を図る。
- 複式、小規模校(今年度全校29人)であることから、子どもや地域、教職員にとって有益な活動となるように焦点化し、多忙化に拍車をかける取組としない。
2 これまでの主な実践
糸魚川ジオパーク(G)特有の自然災害に対し、地域・住民(C)を巻き込みながら、防災教育(B)に取り組んできた。防災クイズ、GCBと関連付けたカリキュラム作成、防災教育一人一実践、地域防災研修会の開催等である。地域から贈られた「手作り防災頭巾」、大運動会での「サプライズ避難訓練・バケツリレーの消火訓練」、学校の体育館・グラウンドを避難所にした「防災キャンプ(宿泊体験)」、防災資源を探すウォークラリーでの「安否札」配布、「湧き水・飲み水調査」等、非常時に生きる実体験も重ねた。昨年から「コドモ防災クラブ」を作り、救命法講習、安全マップ作成、コドモ防災士のテーマ曲作り等に取り組んだ。昨年夏、職員研修で南三陸町を訪問し、被災地活動支援を行った後、大川小学校を訪ね、命の大切さを再確認した。
3 防災教育の充実のために
県防災教育プログラムでは、「防災教育は自然と向き合う正しい姿勢が求められ、生き抜く力を育てなくてはならない」と述べられている。だれもが防災教育を進めてよかったと感じなければならない。また、地域との連携が必要で、当校では共催行事を増やし、今後は地域の自主防災組織主催へと移行させたいと考えている。訓練はやったことがないからこそ、やる意味がある。やったことがないから、できない!は、有事の際に通用しない。「やってみないと分からない」が防災キャンプのキーワードである。防災・減災のために、人との絆、全校体制で防災教育を日常化していくことが、今、学校・地域に求められている。 |