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提言
ふるさとを支える人材の育成
十日町中魚・上郷小学校

 本校は長野県境の山村地帯に位置する児童数43名の小規模校である。過疎化の一途をたどる当地域では、ふるさとに愛着をもち、ふるさとを支える人材を育てることが学校への大きな願いとなっている。それを踏まえて本校では、ふるさとのよさを感得させる教育に力を入れている。

1 ふるさとを舞台にした全校キャンプの推進
 毎年、夏の終わりに地元のニュー・グリーンピア津南のキャンプ場で全校キャンプを実施し、1年生から6年生まで一体となった活動を展開している。キャンプを通してふるさとの自然を満喫し、ふるさとを見つめ直している。
 少人数ながら、飯ごう炊飯や班活動、キャンプファイヤーの出し物など様々な場面で縦割り班の活動を仕組んだり、地元の方の協力を得ながら自然探索をしたりするなど人や自然との触れあい場面を工夫し実施している。
 縦割り班ゆえの年齢差によるギャップを埋めるべく上級生は様々な心配りを学び、下級生は先輩から学んだりしながら、協力の大切さを肌で感得している。毎年、全校キャンプ終了後は、それまでと違う逞しさが顔に出ている。

2 和紙づくりを通したふるさと学習
 本校では25年ほど前から、校区の大井平( おおいだいら)集落に伝わる和紙づくりを学ぶことを通して、地域に対する愛着や誇りを育てる活動に力を入れている。大井平和紙の歴史は古く、信州発祥の内山紙の製法がこの地に伝わり、原料となる楮(こうぞ)も多くとれることから地域に根付き、発展したものである。かつては大勢の人が和紙づくりに携わったが、やがて西洋紙に押されて衰退し、現在では数名の伝承者がいるのみである。その人たちの伝承への熱い思いを受けてスタートした取組である。卒業式には、自分で漉いた和紙でつくった世界で1 枚だけの卒業証書を手にして卒業していくのが本校の習わしとなっている。
 原料となる「楮」の栽培、楮の皮を剥ぐ「煮はぎ」、紙煮、雪さらし、紙漉きまでの一連の工程を6年生が手作業で取り組んでいる。単に和紙を漉くだけでなく、その過程で指導者との気持ちの交流が大きな学びの場となり、それがふるさとを見つめ、ふるさとから学ぶ場になり、子どもたちの成長の糧となっている。今後も本校の特色ある総合的な学習の時間の活動として継承していきたい。

3 おわりに
 子どもは為すことによって学ぶ。地域の人たちとの交流や地域の美しい自然から学ぶ営みを通して、ふるさとを慈しみ、ふるさとを大切にする心を育てていきたい。

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