1 はじめに
「こどもたちが、自分に自信をもち、前向きに心を拡げていく心のしなやかさを育みたい」、これが、当校の大きな願いである。
子どもも大人も、心が元気で活力にあふれているときは、「だれかとつながっている」と実感できるときである。しかし、幼少期から同じ集団の中で過ごしてきている当校の児童は、これまでのつながりや関係性を維持することに心を砕く傾向がある。そのため、自分あるいは他者を尊重しない場面を目にすることが多い。そこで、日々の学校生活の中でかかわり合う力を高め、自分も他者も大切にできる心を育てていきたい。
2 実際の取組
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(1) ソーシャルスキル教育を核とした毎月の取組 |
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当校の毎月の生活目標は、ソーシャルスキル教育と密接につながりをもたせている。月の初めに、他者とのかかわり方を中心とした目指す姿である「ターゲットスキル」について、その月の担当学年が寸劇などを交えながら提案する。また、その提案を受けて、月初めの自分の姿、取組後の月末の姿を自己評価し、全校の変容をみんなで確かめ合うようにしている。自己評価用紙の文面からは、自分を見つめながら、これからなりたい自分の姿も考えている様子がうかがわれる。
この取組は、その姿を少しずつ変えながらも10年以上続いており、当校の特色でもある。 |
(2) 全校縦割り班での活動の充実 |
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全校児童86名という規模を生かし、全校を八つの縦割り班に分けて、様々な活動を行っている。
日常の清掃活動では、低学年に仕事の仕方を教えながら行動している上学年の姿が光っており、低学年は、そうした上学年をモデルとして成長し、その姿は代々引き継がれている。様々な行事でも、縦割り班ごとに活動し、交流を深めている。例えば、全校遠足では互いに助け合ったり、声をかけ合ったりしながら、目的を達成したり、他学年児童や地域の方との交流を深めたりしている。このような活動の後は、班内のペア同士でありがとうメッセージを交換し合い、それを全校で読み合えるようにしている。 |
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3 終わりに
「つながりやつながり方を拡げていくうれしさ」。そんな想いがますますあふれる学校を目指して、教職員もつながり合いながら取り組んでいきたい。 |