平成27年度から文部科学省の委託事業「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」を受け,取り組んでいる。取組の主な内容は次の三点である。
1 資料選びと主題の設定にこだわり,授業改善を進める
人間としての生き方についての考えを深める学習を通して道徳性を養う教科であるからこそ「特別の教科」と位置付けられたのである。そのことを踏まえ,価値の自覚を深める授業への工夫,改善を進めなければならない。まず大切なことは,ねらいとする価値と資料から,どう主題を設定するかである。主題は,ねらいとする道徳的価値と資料によって設定される授業全体を貫くものである。その上で資料分析に基づいて,中心発問とそれを支える基本発問を決定していく。道徳の授業づくりの基礎基本を学び直し,実践を通して指導法の工夫・改善を進めていくことが肝要である。
2 指導計画と別葉を作成する
地域や児童の実態から道徳教育の重点を設定し,指導計画を作成する。扱う内容項目が,どのように教科,領域や体験活動,日常生活と関連しているかということが重要である。このことを明らかにするのが別葉であり,当校では,「わかしお道徳学習プラン」としている。道徳授業で,道徳的価値を補充・深化・統合していくための重要な計画である。
3 ともに語り合う道徳懇談会
社会の中で実践されてこその道徳性であり,家庭や地域が主体となって育てようとする意識が必要である。当校では,道徳の授業参観とその後の懇談会をセットにして,道徳について語り合う場を設定している。地域,保護者,学校職員が,授業や子どもの姿から道徳について考え合う貴重な機会となっている。また道徳の内容項目を視点に,子どものよさ,可能性を発見するアンケートを行事や活動ごとに実施し,懇談会の資料としている。
4 評価を見据え
評価は,子どもたちのよさ,可能性の発見であり,子ども自身の夢や希望につながるものでなければならない。日々の出来事,子どもの姿をこの視点からていねいに見取り,積み重ねた記述が子どもの自己評価とともに道徳の評価となる。
心の教育を道徳の教科化という教育改革の側面から捉え直し,一層の充実を図るため,道徳教育の要である道徳授業の改善を全教職員一丸となって取り組んでいく。 |