1 はじめに
「進んで元気なあいさつができる児童を育てたい。」どこの学校でも,年度の重点や取組事項として必ず挙げられることではないだろうか。あいさつは,やり方など指導しなくても,元気よくあいさつのできる子供はたくさんいる。しかし,逆に,あいさつの仕方を手本を示して教えても,思うようにできない子供も少なくはない。まさに,たかがあいさつ,されどあいさつと言ってもよい。あいさつは大事であることは分かるが,なぜ,多くの学校が重点事項等に掲げるのであろうか。
2 豊かな心の育成は「あいさつができること」から
人と出会えば,まずはあいさつを交わすところから始まる。あいさつは人間関係の基本であり,あいさつがしっかりできなければ好ましい人間関係を築くことも難しいことである。当校では,豊かな心を育成するためには,まずは,あいさつがしっかりできることが肝心であると考え,年間を通して「自分から元気なあいさつをしよう」を生活目標に掲げている。この目標に向け,「いつでも,どこでも,誰にでも」を合い言葉に,始業前に他学年教室に行ってあいさつする取組などを全校で行っている。
3 中学校区一斉のあいさつ運動の取組
三条市は,小中一貫教育を推進している。知・徳・体の様々な活動を,中学校区全小中学校が連携し,同じ内容・同じ期間等を設定し取り組んでいる。当中学校区では,あいさつ運動もその一つである。6月と9月の2回,それぞれ一週間ずつ,中学校区全小中学校であいさつ運動を実施している。校内での元気なあいさつの励行に加え,中学生が出身小学校に行って,朝のあいさつをしたり,教員が他の学校のあいさつ運動に参加したりする取組などにより,他校のあいさつの現状も知ることができる。このことは,自校の取組の改善に生かされ,校区全体のあいさつのレベルアップにも繋がっている。地域に対しては,自治会長を通じて,子供たちへの声がけをしながらあいさつの様子を見ていただいたり,あいさつポスターの掲示等による地域啓発活動に協力していただいたりしている。中学校区,地域を挙げての取組となっている。
4 おわりに
あいさつをすることは,相手の存在を認めることであり,あいさつ一つで人間関係も変わる。学校,地域が一層連携し,「良いあいさつだ。」と誰もが認める,心のこもったあいさつができる子供を更に育てていきたい。 |