1 「四本の矢」の一本として目指す
当校の校章は、「矢代田」を書き替えた「矢四ロ田」の四つの文字を組み合わせて形象されている。それを受け、毎年重点目標を四つ設け、それらを「四本の矢」と名付けている。そして、二本目の矢を「豊かな心の矢」とし、その的(目指す姿)を、「思いやりの心をもち、友達を大切にする子ども」と定め、三つの手立てを講じている。
2 縦割り活動で育てる
当校は、1年生から6年生の十数名で構成されている縦割り班を20班編成している。そして、この縦割り班で、毎日の清掃、縦割り遊び(年5回)、里山探検、6年生を送る会の準備に取り組んでいる。このような縦割り活動の中で生まれる「お世話する・される」関係が「思いやりと感謝」の心を育むことは、誰もが体験的に納得するだろう。
この取組の成果として、児童、保護者共に95%以上が縦割り活動のよさを実感している。そして、この数値以上に喜ばしい成果は、休み時間においても自然発生的に異学年同士が仲良く遊ぶ姿が日常的に見られることである。
3 「学級力」向上の取組で育てる
当校は、数年前から附属新潟式「学級力」向上の取組を自校化して実施している。今年度は、「学級力」の要素の一つである「学級が楽しい」の、さらに下部要素である「言葉遣い」に焦点化して取り組んでいる。温かい言葉遣いによって、発した側も受けた側も双方に思いやりの心が育つことを期待している。日々、教職員が率先垂範しながら「人を笑顔にする言葉」を子どもたちに意識させている。
そして、年4回の「学級力会議」で、子どもたちは自分たちの「言葉遣い」を中心に振り返り、さらによくなるためにはどうしたらよいか、真剣に話し合っている。
4 道徳科授業で育てる
当校は、道徳科授業で教材の登場人物に共感させる場を設定し、4段階の「共感度スケール」を活用している。これは、登場人物の弱さや悩みに「自分にも似たようなことがある」と自我関与するためのツールでもある。そして、この手立ては、思いやりの心の育成にも寄与している。なぜなら、思いやりの心は、相手の弱さや悩みへの共感が基盤となるべきだからである。共感のない思いやりは、得てしてお節介や哀れみとなってしまうからである。
したがって、授業で「登場人物への共感」という場を設定することで、「思いやり」を内容項目としない場合でも、思いやりの基盤を育てることができるのである。 |
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