「I先生、バッタつかまえていい?」
「いいですよ。捕まえたら網をしておいたから、このカゴにね。観察したら、捕まえた場所にもどしてあげてね」
葛塚小学校の中庭には完成してから13年目を迎えた大きなビオトープがあり、休み時間になると、そこには、いつも、ビオトープボランティアのIさんと子どもたちの声が響き合う。虫や魚、大きな樹木やかわいい草花との対話を思う存分楽しむことのできる格好の場所である。
ウッドデッキに並べられたいろいろな生物の図鑑、めだかや他の水中生物を入れたバットと顕微鏡など、子どもたちが見たくなるようなものを並べて、さまざまな質問にしっかりと答えてくれる。Iさんのおかげで、葛小の森ビオトープに今日も子どもたちが集まる。
さて、葛塚小学校の環境教育は、「ビオトープ発福島潟行き」で進む。①「ビオトープにふれる」、②「ビオトープをマクロに学ぶ」、③「ビアトープをミクロに学ぶ」、④「福島潟の自然環境に学ぶ」という4つのステップを通して、自然から学び、自然と向き合う子どもたちを育ててきている。
1年、生活科「『葛小の森』をたんけんしよう!」では、どのような生き物が住んでいるか、春・夏・秋・冬と季節ごとに探検。季節によって生き物が違うことを発見。
2年、生活科「どんな生き物がいるのかな?」では、福島潟でザリガニ釣りに挑戦。釣ったザリガニを教室でお世話をしながらじっくりと観察。
3年、総合学習「『葛小の森』の案内図を作ろう!」では、ビオトープのどこにどのような生き物が住んでいるのかを観察。絵や図を入れて「案内図」や紹介文を作成。
4年、総合学習「『葛小の森』に生息する生き物を調査しよう!」では、植物・昆虫・魚の中から自分が調べたい生き物を1つだけ選択し、一年間を通して観察。
5年、総合学習「われら福島潟いきいき探検隊!」では、野鳥を通して福島潟の自然環境の豊かさを学習。
6年、総合学習「潟先案内人になろう!」では、福島潟の自然環境の豊かさを知り、多くの人に守ってもらうために「福島潟アドベンチャー」を計画・実行。
自然とかかわり成長する子どもたち。『環境を守るのも人間、壊すのも人間』、深く心に刻ませたい。 |