信濃川へと続く加茂川が、加茂市の中央に流れている。当校は加茂川の水源地が学区にある自然豊かな学校である。夏になると、学校前の加茂川で地域の方々の協力を得ながら川遊びを全校で行う。泳いだり沢ガニやハヤをつかまえたりする身近な遊びの場になっている。四年生になると、その「加茂川」をテーマに環境学習に取り組んでいる。
一 学習を通して身に付けさせたい力
グランドデザインに、次のように掲げている。
○各自が追究した課題について、低学年二〇〇字、中学年四〇〇字、高学年六〇〇字以上の字数でまとめることができる力
そのために、職員に次のことを伝えている。
・実物や本物に触れる学習をする。
・人と関わりながら学ぶ学習をする。
・学習したことを発達段階に応じて、書くことで振り返る学習をする。
直接体験することが、課題を掘り起こし、学習を深める。
二 加茂川をテーマとした環境学習
(一) 水生生物を調べる
加茂川の水質を調べるために、理科センターの先生を講師に学校前と下流の市街地に架かる橋付近を調査した。生息する水生生物を比較することで、学校前の水質がとてもきれいな水であることを学んだ。そして、なぜ川の水が汚れていくのか原因を調べ、身近な環境保護活動を考えた。
(二) 加茂川の歴史を学ぶ
加茂川は漁業が盛んである。毎年、十月下旬には鮭の遡上が見られる。加茂川漁業協同組合の方を講師に、加茂川の歴史や加茂川をきれいにする活動について講話していただいた。また、孵化場を見学し、鮭の卵の育て方を学び、学校で孵化させる活動に取り組んだ。育てた稚魚は、翌年、放流となる。
(三) 学んだことを伝える
一人一人が、ポートフォリオに記録してきた学びを、レポートにまとめた。授業参観日に、生活科・総合的な学習の時間の学習の成果を発表する場を設定している。学びをよりよく伝える方法を検討し、発表会に臨んだ。
三 終わりに
実物・本物からの学びは、子どもたちに一層、加茂川の環境を守ろうとする意識を高める。また、地域と関わり、地域を学ぶことは、地域七谷のよさを実感し、地域を愛する心を育んでいる。 |