1 はじめに
佐渡市学校教育基本構想「郷土を愛し,夢と誇りをもつ教育」を推進するため,「トキの学習」を中心とした環境教育に取り組んでいる。水辺の生き物調査や探鳥会等,ふるさと佐渡に焦点を当てた教育活動を積み重ねることは,「地域とともに歩む特色ある学校づくり」につながるものである。
2 実践
《水辺の生き物調べ》
トキが住める環境を目指して校地内や学区にビオトープがあり,そこにトキの餌となる生物がどのように生息しているかなどを調べる。新潟大学,環境省,農協,佐渡市等の協力を得ながら,平成13年度から実施している。
学区内4地区を縦割り班で調査する。高学年は調査をしながら,下の学年に道具の使い方や生き物の特性等を教えている。調査したことを,学習発表会や「トキ解説員」の時に説明している。
《探鳥会》
「日本野鳥の会」の方を講師に招き,毎年探鳥会を開催している。児童と保護者が一緒に,学校近隣の野鳥を観察する。トキ以外の野鳥も学校の周りには沢山いることが確認でき(毎年20羽程度),学校の周りや佐渡の自然環境を考える機会になっている。
《トキ解説員》
環境省職員を毎年4月に招き,最新のトキ情報や放鳥の進み具合等を学習する機会をもっている。この学習会後に,トキ集会(トキの森公園で,トキ募金贈呈,トキの歌斉唱,トキ解説員等を実施)やトキ解説員を行っている。自分たちが調べたトキのことや,トキを取り巻く環境,これからの環境の在り方等について説明している。お盆前に行う夏休みのトキ解説員は,自分のスケジュールに合わせて,子どもたちは自主的に参加している。解説を受けた方からお礼の手紙を沢山いただき,子どもたちは毎回張り切って活動している。
3 終わりに
子どもたちは,「トキの学習」を通して佐渡の自然環境や郷土に対する理解を深めている。生き物や自然に対する思いやりの気持ちをもち,動植物の世話も進んでできるようになってきている。また,保護者や地域の方たちの支援に対して,感謝の気持ちが育まれ,自分たちも地域のために頑張ろうとする気持ちが育っている。 |