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提言
環境教育充実のための地域人材の活用
長岡三島・下川西小学校

1 はじめに
  当校は全校児童63名の小規模校である。学校の周りは田園地帯が広がり、稲作・畑作が盛んに行われている。また、下川西地域は古くから、学校教育に協力的な土地柄である。現在も地域には、自身の経験や特技を生かして地域の宝である子どもたちの教育に関わりたいと願っている方や、子どもと活動することを楽しみと感じておられる方がいる。この地域人材を生かし、環境教育の充実を図りたいと考えた。

2 専門的な知識をもった方の確保
  当校には、ふるさと学習を推進する際にご協力いただける方をまとめた『下川西人物名鑑』がある。低学年の生活科での栽培活動や 5年生の米作りでの指導も、この中の方にお願いしている。栽培方法だけでなく、なぜ里芋や米作りがこの地域で盛んに行われているのか、その環境のよさや先人の苦労や工夫にも触れていただいている。
  また、下川西農地水環境保全広域協定運営委員会と連携し、3年生が年2回、田んぼの生き物調査を行っている。新潟県自然観察指導員に絶滅危惧種のマルタニシが下川西地域に多くいることを聞いた子どもたちは、「下川西の お宝発見。」と喜ぶと同時に環境に配慮しつつ米作りをしている生産者の努力にも思いを巡らせることができた。
  いずれもこれまで築いてきた関係性と環境教育にかける学校の思いを伝えることで生み 出せたものと考える。

3 子どもとともに活動してくださる方の確保
  今年度、学校運営協議会と連携し、学校ボランティアのシステムを立ち上げた。登録ボランティアの中には子どもに何かを教えるだけでなく、子どもと関わったり、ともに活動したりすることを楽しみたいと願う方もおられた。そこで、栽培活動や田んぼの生き物調査など、子どもと一緒 に活動していただくように積極的に呼びかけた。田植えをしたり、タニシやカエルを捕まえたりする中で会話が生まれた。驚きや喜びを共有する場面が見られた。
  同級生との思いの共有にとどまらず、地域の方と共有したことは、後に年代を超えて協力して活動する際の支えになっていくものと考える。

4 おわりに
  人に支えられた環境教育を推進する中で「大切なもの、愛着があるもの、誇れるものだから、自らも働きかけたい。」そんな思いを子どもたちの中に育み、下川西や将来自分の住む地域で活動する素地とできるよう努力を続けたい。

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