1 はじめに
環境教育は、環境に実際に触れ、そこから感じた課題について考え、解決していくものであると考える。
大面小学校区は、田園が広がり、縦割り遠足で行くしらさぎ森林公園もある自然豊かな地域である。また、ゲストティーチャーとして快く学校に来てくださる方が多い。
そこで、感染症禍で控えていた交流活動を復活させることが可能になった今、地域の人材を活用しながら地域の自然に直接触れ、考える活動を行う中で、地域の方の環境保全への思いを知り、実のある環境教育にしたいと考えた。
2 地域の人材の発掘
当校の学校運営協議会の活動として、夏季休業中に学校運営協議委員と教職員全員とが話し合う会がある。この会を生かし、地域の自然や環境の実情、問題点を話し合った。そして、例えば「蛍のことなら○○さん」のように、このことならこの方という人材を教えてもらった。ここで拡がった人脈、それにこれまで学習ボランティア等で協力いただいてきた方々等、地域の人材から学ぶ体制が整った。
3 活動の実際
(1) 触れる(地域自然等に触れる)
大面っ子タイム(縦割遠足)で、地域の自然等に触れたり、地元の寺院や蛍の舞う森林公園を訪れたりした。各分野の「地域の博士」にも出ていただき、地域遺産や自然を愛する人に触れた活動となった。
(2) 疑問点を出し合う
活動の中で、「蛍の住める場所が減っているのではないか」「大面城址はどうなっているのか」と疑問が出てきた。それに対して地域の方々は、「ビオトープを作って蛍が住める場所を整える方法があるよ」「大面城址に行く道を整備すると保存もしやすくなるのでは」等の話をしてくださった。
(3) できることをする
「ビオトープを作りたい」と、「しらさぎ森林公園」の活動を見て、考え、活動する中で、「ビオトープって難しいものじゃないんだ」と感じた児童からは、「今度は大面城址の整備活動もやってみたいな」との声が広がっている。
4 おわりに
活動の中で、ブナの森の植林が必要ではないかとの話も出てきた。学校にとっての、また、「ブナの会」の皆さんにとっての成果と課題について話し合い、相互に関わった「参画」となることが、今後の当校の環境教育の目指すところである。
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