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提言
郷土を愛する子どもを目指して~環境教育を通して~
魚沼・広神東小学校

1 はじめに
 当市の南東部には、自然環境保全の原点でもある「尾瀬国立公園」が広がっている。その良さを生かして市内の全小学校の5年生は、環境教育の一環として「魚沼尾瀬学校」に参加してきた。また、当校では恵まれた自然環境を生かした活動を仕組むことで、環境に働きかけ郷土を愛する子どもを目指してきた。

2 「魚沼尾瀬学校」
 この事業は魚沼市教育委員会が構想した事業で、平成 22 年度からスタートした。市内の5年生全員を対象に1泊2日の宿泊体験活動である。専門知識を持ったガイドさんの案内で尾瀬沼周辺を散策する活動は、環境保全意識を養う格好の学習といえる。この尾瀬学校は徹底した自然保護や環境保全のために極力、人間の手を加えないことや、自然にやさしい宿泊体験等、教育的価値は大きい。

3 権現堂山登山
 高学年になると地元の山である権現堂山の登山を行っている。予め自分で選択したコース毎に班を編制し、力を合わせて全員が登頂した。仲間と声を掛け合って登った経験は、普段何気なく見えていた山が、身近な山に変わった。また、多くの地域ボランティアの参加や保護者、地域のうれしい声が寄せられたことから、郷土の自然に親しむことは地域の喜びでもあることを強く感じた。
 この郷土の登山を通して、子どもたちに強靫な心身と仲間意識が育まれた。また、頂上から見える我が郷土のパノラマを脳裏に焼き付け一生の宝となった。

4 源流から海までの川の調査活動
 4年生は総合的な学習の時間で、郷土の川「羽根川」に光を当て調査活動を行ってきた。川の源流、中流、そして、海に流れ込む下流の水質検査を実施した。普段、川で遊ぶことが少なくなった子どもたちは、川に入り川底の石をブラッシングし、カワニナやカゲロウなどの水生昆虫を採集した。それによって水質検査の方法を覚え、川と親しむことができた。また、子どもたちは上流と下流の水質検査を実施し、あまり違いがなかったことに驚きを見せた。

5 おわりに
 川の学習からブナが自然のダムの働きをして自然災害を防いでいることを学んだ子どもたちは、進んで環境に働き掛けようとする姿を見せた。子どもたちを今、再び自然に返す教育を意図的に行う必要がある。郷土に愛着を感じる心を育てることにも通ずるものと信ずるからである。

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