1 はじめに
松之山小学校は全校児童67名である。統合により、旧松之山町で唯一の小学校になった。学校はブナ林に囲まれ、春には野鳥のさえずりが校舎を包んでいる。当校の教育の重点目標は「ふるさと松之山を愛し、自ら考え判断し、挑戦する子ども」である。旧松之山町で唯一の小学校となったことから「郷土を愛する子どもの育成」のための当校の役割や地域からの期待は大きい。地域の自然のすばらしさを学ぶ環境教育を進め、ふるさとを愛する気持ちを育てている。さらに地域の方々との活動を通して、地域の自然に誇りを持ち、自然を守ろうとする気持ちが育つことを目指してきた。
2 環境教育活動
○美人林清掃
学区には年間10万人もの観光客が訪れる「美人林」と呼ばれているブナ林がある。このブナ林を守るために、地域のボランティアをはじめ、中学生、高校生も学校ごとに清掃活動を行っている。小学校は5月と10月の2回、全校で清掃活動を行っている。清掃活動には毎回多くの保護者の方も参加してくださる。活動の前に、美人林保存会の方から美人林の歴史や美しさを維持するため、地域の多くの方が活動している話を聞き、地域の方の努力と地域の一員としての使命を自覚する機会になっている。
○子ども野鳥の会
松之山は野鳥の宝庫であり、全国から野鳥の観察に訪れる地域である。6年前に「子ども野鳥の会」が発足し、毎月第2土曜日の早朝に探鳥会を行っている。松之山野鳥愛護会の方から指導に来ていただいており、保護者の方や卒業した中学生もこの探鳥会に参加する。指導者の方からは、毎回、野鳥の様子ばかりではなく、野鳥がいる環境は豊かな生態系がある証であるということを教えていただいている。豊かな自然のある郷土を誇りに思う活動になっている。
3 おわりに
地域には、地域の自然や文化に詳しい指導者がいる。さらに、近くには市の博物館である「森の学校」キョロロがあり、そこの学芸員の方も学校教育に惜しみなく援助をしてくださる。自然を学ぶにはとても恵まれた環境である。
子どもたちは、地域の方々との活動を通して、松之山の自然のよさを実感し、自然を守っていくための自らの使命や役割についても考えることができた。今後も、松之山地域の一員としての誇りをもたせる活動を続けていく。 |