1 はじめに
物質的に豊かで便利な生活を追求する現代社会において、「環境を守り、持続可能な社会に貢献できる人づくり」という視点は重要である。小学校では、日常生活と環境問題が関連していることが実感できる活動を充実させ、環境保全に対する感性を高め、自然や郷土を愛する心を育むことが求められる。キーワードは「地域と関わる体験活動」であると考える。
2 教科・領域における学びの集大成としての環境教育
[取組例:『ひとつしかない地球』(6年)]
生活科、理科、社会科、家庭科、総合的な学習の時間等における学習の集大成として6年生で実施。地球環境問題を調べ、自分たちにできることをして、地球環境を守ろうと取り組んだ。全校はもちろん、保護者・地域住民にも協力を呼び掛け、みんなで節水・節電に取り組むとともに、リサイクル活動を行った。
3 地域の教育資源を活用した体験学習
[取組例:『残そう!きれいな川・伝統の技』(4年)]
4年生では、五十嵐川、駒出川の水質調査や生き物調査を行い、きれいな川を残そうと清掃活動も行った。また、12月には鮭の遡上や孵化場の見学を行い、3月には鮭の放流を行った。その他にも、地域の方を指導者として、大谷地和紙づくりや味噌づくりといった文化や伝統を体験させた。
4 成果と課題
身の周りの問題から地球規模の問題まで、教科・領域との関連を図りつつ、地域の教育資源を活用した体験学習を取り入れてきた。子どもたちが、身近な生活環境から地球環境に至るまで思いを馳せ、自分たちに何かできるか、何をすべきか考えるようになったのは一定の成果といってよいと思う。
「Think globally, Act locally」である。
ところで、環境教育で培う心や学力は非常に重要であるが、数値で表すことが難しい。新潟県の最重要課題は学力向上であり、当校においても数値化できる学力の向上は重点課題である。校長として、業務・行事の精選を行いつつ、地域の力を有効活用し、上質な「地域ぐるみの環境教育」と「学力向上策」をいかに並行して推進するか、今後の課題である。 |