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提言
自然の恵みと人とのつながりが生み出す心地よい環境
十日町中魚・上野小学校

1 はじめに
  当校は旧川西町に位置しており、信濃川の河岸段丘に広がる水田と、背後に連なる山林の景色が美しい地域である。児童は地域の方の協力で米作り体験を行う一方で、学校林も有するという、自然環境には大変恵まれた学校である。

2 緑の少年団活動
  「緑の少年団(緑少団)」には全校児童が属している。5月になると、道の駅や郵便局、商店など、広い学区に出かけて「緑の募金」活動を行う。大勢の方が募金に応じてくださる。集まった募金は川西支所へ寄付し、環境保全に役立てていただく。地域の方々の笑顔に触れ、地域に役立つことができ、児童の自己有用感の醸成に役立つ活動である。
  6月、上杉謙信傘下の上野氏の居城であったとされる「節黒城」まで全校遠足を行う。その経路上にある学校林で整備作業を行う。落ちた枝を拾い集め、数か所にまとめる。小さな子も自分より大きな枝を一生懸命運んでいる。小一時間で足元は見違えるようにすっきりと歩きやすくなる。後日、PTAによる下草刈りや枝打ち作業が行われるが、児童の整備のおかげで作業が効率的に行える。かつて緑少団員であった父母とともに、親子で守る学校林である。

3 150周年事業から
  昨年、当校は創立150周年を迎えた。周年各事業の大きな柱となったのが、「花絵プロジェクト」である。児童がアイデアを出し合って笑顔の上に虹がかかる絵を考えた。それを1200個の鉢花を並べて再現しようという試みである。これだけ聞くと簡単そうだが、ここからがわが地域の底力。9月の花絵作りに向けて、7・8月の間、学区の各家庭に花を育ててもらおうという、地域の皆さんを巻き込んだ大作戦となった。連日の猛暑で水やりだけでも大変な中、児童のいない地域の方からも「もっと花はないのか」と嬉しいお声をいただき、職員も励まされた。そして9月、児童と保護者、地域の方がグラウンドに集まり、手塩にかけた鉢をフィールドに並べて花絵を作った。和気あいあいと笑顔あふれる作業であった。いよいよ完成し、これも地域の方よりドローンで上空より撮影していただいた。何よりもみなさんの心に刻まれた150周年の記念となった。

4 おわりに
  豊かな自然に抱かれ成長する児童。社会では温暖化や災害で自然環境の保護が大きな課題となっている。そんな中、自然をとおして様々な人と人とのかかわりが生まれる学校や地域も素晴らしい「環境」と言えるのではないだろうか。

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