外国語活動のねらいは,「外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,外国語の音声や表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う」とある。「外国語」を学ぶのではなく,「表現に慣れ」「コミュニケーションを図ろうとする」態度に着目し,児童同士やALT・教師と一緒に,コミュニケーションを楽しむ学び合い活動をテーマに外国語活動の研修を行ってきた。
外国語活動の環境づくり
「外国の言語や文化を抵抗なく安心して学ぶことができる環境とは」,これを最初の課題とし,検討した。
・学習活動を「あいさつ→チャンツ→ゲーム→アクティビティ」とパターン化し,学習の見通しをもたせる。
・教材や資料は,一目で分かる視覚に訴えるものを準備し, 児童の発想を取り入れて外国語への関心を高める。
音声や表現に慣れ親しませるゲームの工夫
ゲームを取り入れることは,「楽しむ」だけでなく,ねらいを明確にさせることが大切である。
・ゲームの難度に変化をもたせる。初めはパターン化されたゲームから,徐々に自分の思いや考えを「伝える」必然性が生まれるゲームへと発展させる。
・ゲームを通じて「気付き」を高める。外国語の音声やリズムへの気付き,文化や習慣の違いへの気付きなど。
学び合う姿の具体化
コミュニケーション能力の素地を養うとは,具体的にどのような学び合う活動をイメージしなければならないか。
・コミュニケーションを図るとは,言語だけでなく,動作や表情も重要な要素としてイメージする。
・互いに「伝え合う」場面を大切にする。児童同士だけでなく,時に,コミュニケーションの幅を広げるため,教師も複数参加していく場面を設定する。
授業後の振り返りカードを見ると,「毎回楽しくできてよかった」「今度はもっとジェスチャーを使いたい」という肯定的な感想が多い。コミュニケーションを楽しむ児童が増えてきたという手応えを感じている。
一方で,中学校の英語につながる外国語活動の在り方はどうあればよいのか,という課題がある。これから中学校との交流授業で中学校教諭による英語の体験授業を予定している。中学校と連携しながら,外国語活動とのつながりを研究していきたい。 |