本校は4つの学校が統合した新設校2年目である。
昨年度、文科省より『グローバル化に対応した英語教育改革実施計画(グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方)』が示された。これには、大まかな授業形態・週時数・目的・実施年度等が明記されている。これを受け、本校教員の意識改革並びに指導力向上に向け、次のような取組を始めた。その一端を紹介する。
1 時数の確保
全学年において「毎週金曜日の朝学習」の15分間を英語活動と設定した(年間を通じて約12時間分)。
低学年は、現状と朝学習の時間を合わせて、年間約20時間。中学年は、同様にして、年間約34時間。高学年は、毎月1時間(余剰時間を活用し、担任が指導)を増やし、朝学習と合わせ年間58時間の時数確保をした。
2 JTEの活用
本校は、ALTの配当がなく、隔週1回来校するJTEと担当が中心となり、外国語活動を進めている。取組方法と趣旨を説明したうえで、昨年度以上に担任との打合せを密にすること、活動の流れが途切れずに推進できるようにすることを指示し、取組体制を強化した。その際、研修の場として、理論は打合せの時間、指導は授業の時間と位置付け、職員の資質能力の向上に努めている。
3 小・中の連携
本校は「小中一体型連携校」で、職員や児童生徒がいつでも交流できる環境となっている。その利点を生かして、外国語活動では、中学校の専科教員の指導に基づき、9年間を見通した中で「外国語活動年間指導計画」の改善を進めている。指導方法についても専科教員からの助言を授業に生かしている。また、中学校の協力を得て、中学校配置のALTとのTT授業も実施し、生の英語に触れる機会を大切にしている。これらのことより、担任・児童の英語力向上に効果が上がっている。
取組を始めて、まだ1年満たないため、課題は山積みしている現状である。しかし、学習中の児童の「進んで多くの級友に声をかけ、英語での会話を楽しむ姿」「ジェスチャーをつけ、明るい表情で会話する姿」や、「学習参観日に英語をやっていいですか」という職員の声、中学校の専科教員からの「小学校の授業もしてみたい」という声より、少しずつではあるが成果も上がっていると実感している。
これらの姿を大切にしながら、一歩ずつ進んでいきたい。 |