私たちの地域には、直江津東地域青少年育成会議と直東学園運営協議会があり、学校と一緒になって、地域の子どもを地域ぐるみで育てる活動に取り組んでいる。
1 ピンチをチャンスに
4月3日から職員13人が感染性胃腸炎で一気に休み、新校舎への引越しと入学式の準備は、6年生を登校させずに、職員が土日を返上して行った。毎日、学校の消毒もした。しかし、入学式を含めすべての教育活動は平常通りに行った。900食からなる給食の後に、給食室へ返す前の食器等の1次消毒を毎日、私を含めた級外の教職員が行った。入学式の日、保護者や地域に窮地に追い込まれた学校を救うためのボランティアをお願いした。すぐに直東学園運営協議会事務局が動き、直江津東中学校や保護者、住民からたくさんの不要タオルの寄付が集まり、延べ218名のボランティアから毎日学校に来ていただいた。
しばらくして、今度は児童が、次々に感染性胃腸炎にかかった。このときも、これまでと同様に、保護者、地域の皆様から多大な協力をいただき、2週間で終息した。今年転入してきた職員やボランティアの皆様から、「一緒に汗をかいた分、お互いの顔と名前を覚えた。」などと、短期間で学校、家庭、地域の連携が深まった。学校のピンチが学校づくりのチャンスになった。
2 1日4000人と挨拶
昨年春に赴任した時、児童の挨拶が気になった。元気な挨拶ができない児童がいるのは、子どもを取り巻く大人に課題があると考えた。そこで、家族を含めた5人以上の地域の方に元気な挨拶をしてほしいと全校児童に話した。1日に800人の児童が5人に挨拶し、1年間実施すると、146万人に挨拶することになる。児童が元気のよい挨拶ができるようになるとともに、家族や地域の皆様が明るくさわやかな挨拶をかわすようになる。こうして、私は学校の取組を通してこのまちを明るくさわやかな挨拶をするまちに変えたいと考えている。
今年度に入り、地域の方から「子どもの挨拶がよくなったね。」「先生が明るくなった。」「町で出会うと子どもが挨拶をしてくれます。」などという声を聞くようになった。
先生は風の人で、いつかはいなくなる。地域住民は土の人であり、地域風土を創り守っている。だから、地域が大切だと考える。学校がよくなると、地域がよくなる。地域がよくなると学校がよくなる。私は、学校と地域をこんな関係にしていきたいと考えている。 |