1 はじめに
当校は,ラムサール条約登録湿地「佐潟」まで徒歩10分ほどに位置している。創立明治5年11月,全校児童270名であり,校区内には新興住宅地や新潟国際情報大学がある。隣接する中原邸(明治天皇北陸巡幸の折,昼食休憩の御座所)では,毎年五月に筍掘りをさせていただいたり,幕末の歴史学習でお世話になったりしている。豊かな自然と新しい街そして,古くからの歴史に恵まれた地域である。
2 「赤塚を知ろう,学ぼう,楽しもう」
赤塚小学校の佐潟での学びは,教育活動において重要な位置を占めている。入学したての1年生は,佐潟で思いっきり遊び,学年が上がるにつれて佐潟での活動は多様化し,自然や人間関係など様々なことを学ぶ。六年生では,佐潟を中心とした『赤塚の町おこし』への提言をまとめる学習にも取り組んでいる。魅力いっぱいの佐潟を通して,今,地元の大学や高校との交流も進み始めている。
3 学校へ足を運ぶ人々との結びつき
「学校は敷居が高うて。よう入れませんわ。」昔の遊びにおいでいただいたお年寄りの一言である。地域教育コーディネーターも「声掛けをしてもなかなか地域,保護者のボランティアが集まらない。」と語ってくれた。そこで,学校に関心をもってもらうこと,学校に来ていただく機会を増やすことに主眼をおいた活動を組織した。関心をもってもらうために,児童の様子だけでなく学校の有形無形の財産について広報すると手応えは上々であった。
来校いただく機会を増やす方法としてキャリア教育に着目した。第一線で活躍している遠くのプロの方々から,地域で生き生きと仕事をしている方々に講師をお願いした。児童とふれあった方からは,児童の真剣さと自分が必要とされているという充実感がもてたことで,喜んでいただいた。職員も,栽培活動の指導を地元の方にお願いしたり,日常の授業でもボランティアを積極的に呼びかけたりと意識と活動が変化してきた。地域教育コーディネーターも,「地域のこれならできる要望」を聞き,体験が伴う授業の実技指導者として招聘するなど,積極的な活動を続けている。
4 おわりに
5月の運動会で「佐潟音頭」への地域・保護者の参加は例年とは比較にならないほど増え,当日も踊りの指導は元気な地元のおばあちゃんたちが頑張ってくれた。今年は,秋の全校登山を佐潟一周ウォークラリーに替える予定である。地域の素晴らしい財産を児童・地域住民・保護者と共に活かし,活力ある赤塚小学校を創り上げていきたい。 |