1 学校も撤退戦
未来は不透明ではなく、世界が未だ経験したことのない 人口減少と超高齢化ニッポンになることは、明確である。 減る一方の若年人口の取り合いに気を取られず、先駆的な地方自治体のように、学校も上手な撤退戦をしながら、少しだけ拡大路線を打ち出すしたたかさが必要と考える。ここに、家庭・地域との連携を重視する意義がある。
2 学校以外の視点を生かす
既存の「学校運営会議」と「自治会長・主任児童委員・ 民生委員との懇談会」を活用し、名称を「これからの地域(ふるさと)プロジェクト」として立ち上げた。このプロジェクトから、 「人と協力して何かを解決すること」「人の気持ちを考えて行動すること」に注力せよとの答申を受けた。これを具現するには、子どもがふるさとの良さを感じ取ること、地域に学び地域に貢献する教育活動の創造と充実、さらに、地域の良さを売り込む押しの強さも重要である。
3 具体的な姿
年間を通じ、様々な教育活動でボランティア活動を受けている。その場面は、算数・音楽・家庭科といった教科領域の学習、校外学習、学校行事、課外活動に広がっている。
例えば、遠足はボランティアによる支援なしには成り立たなくなっている。校区を巡る年、合併した旧新発田市の 施設・史跡を巡る年、海辺にある記念公園でバーベキューをする年と、縦割り集団でのピアサポートの視点を入れ、 六年間で体験を二巡するようにデザインし、地域の良さを再発見できるようにしている。
また、約三十年前に始まった太鼓活動「干拓太鼓」と「干拓劇」で、児童は地域の歴史と伝統を学んでいる。それまで先輩から後輩への継承を行って来たところに、昨年度、地域ボランティアからの指導を受けることができた。土曜参観日で参加する、地区芸能祭演奏が功を奏している。
さらに、地域の企業・商店等と連携して、児童がコラボ商品の開発に取り組んでいる。年度末に向け、児童による広告活動や、市の地域協働推進事業を活用したサテライト・サイネージを実施する。
4 知恵を絞る
学校支援地域本部事業の開設を待つだけでは、家庭・地域からの支援・連携は望めない。積極的に打って出ることが必要である。未曾有の「教員」獲得困難状況と同じように、予算はもらって当たり前ではなくなる。校長が知恵を絞る時である。 |