1 はじめに
創立146周年となる「和田校」。地域の発展を担ってきた文化的拠点であり地域住民の心の拠り所である。学校の教育活動は、地域文化に大きく影響を与え、活気付けるパワーがある。だからこそ、地域の実態を見据えた教育活動を推進し、「地域・保護者が喜んで応援する学校」を具現化すべく日々取り組んでいる。
2 伝統的教育活動の価値を再構築する
自然豊かな学校環境を活用し、そこでの学びから「鮭の放流」等の地域学習へ発展する伝統的活動が多い。ところが、前年度踏襲の実践が増え、大人主体で計画が進んだり、地域要請事業に対して、教育的価値との関連付けが不十分だったりする課題があった。そこで、以下の策を講じた。
・ 学習の目的を明確にし、子どもの探究意識に沿った単元に再構成する。
・ 地域指導者へ学習の目的と育てたい子どもの姿を伝える。
・ メディアへ積極的に外部発信を行い、第三者による活動の価値付けを図る。
地域指導者の高齢化も進む中、学習への理解が深まったことで地域育成会等が動き、今後も組織的に継続した学習を行う体制が整った。ふるさとに積極的に働き掛け、ふるさとを愛する心を育てるべく今後も学習の充実を図りたい。
3 目的を共有しながら業務改善を図る
地域関係者等で構成されるCS(コミュニティスクール)の協議会において、学校の現状と今後の方針を積極的に提示している。充実した教育活動を再構築する上で、業務改善が不可欠と考えたからである。目的を示しながら、趣旨理解を図ってきた。公の協議を通すことで、保護者の理解も円滑に進んでいる。これまでに以下の取組を行った。
・ 文化祭バザーの地域販売を見直し、活動内容の充実へ
・ ミニバス課外へ外部指導者を招聘し、今後は地域活動へ
・ 課外体育・音楽の練習回数を見直し、業務時間の確保へ
・ 学校周辺のグリーンベルト設置と下校時の見守り強化へ
現在は、支援ボランティア「和田っ子応援団」の準備を進めている。「教室いるだけボランティア」「事務手伝い」「草取り」「環境整備」などを随時募集し、教育活動を側面から支援する体制を整えていく。
4 終わりに
学校は、地域の教育資源や人材を結集し、子どもの未来への希望をはぐくむ学舎である。「和田地区に和田小あり」と、現任校を心の故郷と思えるべく、一層勤務に励みたい。 |