1 はじめに
当校は、全校児童95 名、稲作地帯の兼業農家世帯が中心の小規模校である。素直で明るい子どもが多く、いじめ・不登校など生徒指導上の大きな問題はほとんど発生していない。また、良好な人間関係の中で教科学習をはじめ多くの教育活動で確実に成果を挙げている。こうした学校を実現している背景には、自己有用感や共感的人間関係の育成など生徒指導の機能を伸長する伝統的な縦割り班活動や体験活動による成果が大きいと考える。
2 主な取組
(1) 通年縦割り班
全学年を六つに分け、主に高学年では主体性の涵養と自己有用感、低学年は、活動への意欲と高学年へ憧れを育てることを目的に、次の取組を実施する。
5月・・・仲良し給食後、自己紹介と簡単な遊び
6月・・・スポーツ・テストの練習と実施
7月・・・歌うまグランプリ(歌やダンス)
9月・・・スポーツ・テストの練習と実施
3月・・・6年生ありがとう週間に向けての企画・実施
なお、通年を通して、高学年が計画した月1回の遊びを中心とした「仲良しタイム」を実施する。
(2) 登校班による取組
○挨拶運動の実施(各学期ごとに)
○挨拶コンテスト(登校班ごとの寸劇)
(3) ソーシャルスキルトレーニングの継続的な実施
(4) 学校ビオトープを中心とした命の教育の推進
○メダカやカエルなどの生き物が生息するビオトープを活用した理科授業を中心とした命の教育
3 おわりに
年2回実施するスポーツ・テストでは、練習を含め、高学年児童がリーダーシップを発揮している。シャトルラン以外の種目では、高学年児童が中心に準備を進め実施している。
例えば、ソフトボール投げでは、放課後等、高学年が中心になり、グラウンドに白線を引く。練習や本番では、高学年が下学年を整列させ、メジャーで測定する。そして、投げ終わった子どもは、ラインの外側でボール拾いを行う。
この他、日常的に6年生が話し合いをリードする姿や高学年が低学年を励ましながら取り組む姿が見られるようになってきた。また、放課後、学年関係なしにグラウンドやビオトープで仲良く遊ぶ姿など、一昔前の子どもをほうふつさせるような姿が多く見られている。 |