1 はじめに
学校は児童にとって楽しいところ,期待感あふれるところでありたい。しかし,学校は集団生活の場であるがゆえに,集団との関係が楽しさに大きく影響する。児童が目の前の問題に主体的に取り組み,自ら解決し,進んで関係を築いていこうとする力を高めていく必要がある。
今年度は,「ことば・かかわり・つながり」をキーワードに,集団の質を高めていく集団づくりと,伸びようとする個を育てる個別指導の両面から取組の充実を図っている。
2 関わりつながる仲間になるために
児童は,能動的に関わることで,集団で活動するよさや面白さを実感する。それがよりよい集団をつくろうとする力や意欲となる。「かかわり」を生み出す活動を通して集団の質を高め,児童の所属感や自己有用感の高揚を目指す。
その1つが,全校縦割班による「なかよし班活動」である。「かかわり」の視点から活動を見直し企画・調整を図るなかよし班担当を,校務分掌に位置付けている。4月のさくらまつりからスタートし,月毎のなかよし給食やなかよしタイム,運動会やなかよしウォークなどの学校行事や児童会活動と,様々ななかよし班活動を計画的に行っている。相談,活動,振り返りを繰り返す中で,喜々として声を掛け合いながら取り組む児童の姿が見えてきている。「一番うれしくて楽しかったことは,みんなと協力して何かをできたこと。」「速いねと言われてうれしかった。これからは私が人のことをほめてあげたい。」など,児童は互いを認め合う言葉の心地良さや,他と関わる楽しさを感じている。
3 個々に伸びていくために
児童が自ら動き出そうとする能動的な行動の裏には,見えないストレスや不安が潜んでいる。それらを次の活動への力に変えていくためには,広い視野から個々の変化を捉え,心を探り,適切に対応していく全校体制による取組が不可欠である。
全児童の名前を全職員が分かるという強みを生かした日々の情報交換はもちろんのこと,児童一人一人の定期的な心の調査と面談,その結果を基にした現状と対応策の協議など,早期発見・早期対応を第一に取り組んでいる。また,ケース別チームによる保護者との定期的な教育相談,子ども若者育成支援センター等の関係機関と保護者・学校による支援会議の開催など,児童の心の安定を図る環境づくりを行っている。今後は,保育園の指導の引き継ぎや中学校同席の支援会議等にも力を入れていく。 |