多くの学校では、なんらかの形で異学年での交流や活動を徳育の一環として実施している。当校でも全校縦割り班による「なかよし班」活動を行っている。全校児童487名をおよそ10人ずつ48の班に分けている。今年度の4月、例年と大きな変更のない起案が多い中、学校評価目標を話し合った際、体育推進委員会の職員から「せっかくある全校縦割り班を体力の推進にも活用したい」という申し出があった。若手職員が中心の体育推進委員会からの提案だった。早速、実施してみる方向で対応を指示した。徳育推進委員会と合同で主な活動について協議を深めた結果、今まで徳育推進委員会を中心に計画していた縦割り班活動を新たに体力づくりの行事でも活用することにした。
1 既存の主な縦割り班活動
① 全校遠足
全校遠足では、学校から村松公園まで片道6キロ、往復で12キロを歩いている。小学校の全校遠足としてはかなり長距離であるが、班で助け合いながら歩くことで低学年の児童もほぼ全員が歩き通すことができている。
② 運動会
全校児童を縦割り班で2つに分けて赤白とし、縦割り班の合計点数で勝ち負けを決めている。また、縦割り班種目もある。個人の記録が班の得点に反映されることから、競技への声援にも力が入る。
2 運動との連携を重視した縦割り班活動
① 新潟県体力テスト
各テスト種目の練習を昼休みに縦割り班で行った。テストの仕方を上学年が下学年に教えたり、測定の時に応援し合ったりしている姿が見られた。
② マラソン練習
練習期間に毎日グラウンドを走る各自の周回数を縦割り班ごとに集計して、日本一周を目指して取り組んだ。3学期には、なわとび大会でも同様に実施する予定にしている。
下学年の自分勝手な行動が減った、隣接学年での児童間のトラブルがほとんどないなど、全校児童のよい関係が育ってきている。また、スポーツテストの平均が向上した種目がある。縦割り班活動のねらいである良好な人間関係の維持や社会性の育成といった以前からのねらいに加え、体力の増進にも生かす取組を今後も工夫して、望ましい人間関係づくりを進めていきたい。 |