複雑化・深刻化する生徒指導上の諸課題を解決するためには、校長をはじめとする校内の教職員や、スクールカウンセラー等の外部の専門家が連携し、学校として組織的に対応することが極めて重要である。
1 いじめについて
(1)いじめを生まない環境づくり
児童一人一人の声に「傾聴」すること、「共感的な態度」で受容することが、子どもと教師との確かな信頼関係の基盤であり、そこがスタートである。日ごろから児童の心に寄り添い、安心して生活できる環境づくりが重要である。
(2)組織対応できる体制づくり
いじめかどうかにかかわらず、トラブルの情報を得たり、発見したりした場合には、校長のリーダーシップのもと、学年職員や関係職員が素早く概要を共有するとともに、支援・指導がぶれないよう対応方針を決定し、組織的に対応できる体制づくりをすることが重要である。
(3) 初期対応は大げさにとらえる
事案の発生をどの場面で発見したとしても、いじめを疑って対応する必要がある。事実関係はもとより、全体的な構造を的確に把握し、それに応じた対応が大切である。校内対策組織で対応方針を決定し、役割分担を明確にして聞き取りなどを進めていく必要がある。生徒指導事案は大げさにとらえることで、被害者の心情に寄り添った対応につながる。仮に、事案が大きくなったとしても想定の範囲で的確な対応を続けることができる。逆に、初めから小さく済ませようとすると、被害者が軽視されたと受け止める可能性が高まり、事態が深刻化・長期化する恐れがある。「いじめは起こり得るもの」と認識して、職員全体のいじめに対する感度を上げる必要がある。
2 不登校について
(1) 一人一人の状態に応じた対応
児童の欠席が見られたら、その初期段階から組織的な対応が必要である。不登校の背景や原因は、状況によって様々である。本人や保護者の心情に寄り添い、共感し、思いや考えを受け止めながら、その子の状況に応じた支援・対応が重要となる。
(2) 相談体制の充実
不登校対応で大切なことは、校内だけで対応しようとするのではなく、関係機関と連携することである。各市町村で、不登校にかかわる支援・取組を推進している関係機関を確認し、連携して対応することが重要である。
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