問題行動等に追われる生徒指導でなく,自他のよさを認め合える「育てる生徒指導」を何よりも大切にしていきたい。笑顔と落ち着きある学校生活を支援し,児童に確かな社会性を育むことを願い教育活動を展開しているが,児童の生活は学校・家庭・地域社会と多岐にわたる。
当校では,学校職員が指導・対応に当たるだけでなく,家庭・地域と連携を進め,「ともに育てる」アプローチを長年実践している。そのパートナーシップ推進を基にした取組
を紹介する。
1 一体となって取り組む挨拶運動
「校長先生,子どもたちをたくさん褒めてください。」2学期の挨拶運動アンケートに書かれていたボランティアの方の言葉に心が温まった。当校では,挨拶運動に保護者・地域の挨拶ボランティアを募り,参加してもらう。そこでの感想や地域での様子を受けて,前述のコメントをいただくことがあった。職員は一緒に活動する中でボランティアの声情報を集め,指導に活かす。学校内で把握できなかった姿を教えてもらう。その流れをつくることで,「ともに育てる」という意識で関わる大人が増え,下校時の児童に自然と声を掛けてくださっている。児童の挨拶も学校内外で気持ちよいものになっている。
2 学校便りでの発信
学校の取組や現状を発信することは,共通した関わりの素地づくりとして重要である。当校では,毎月の学校便りに生活指導の内容を必ず載せている。『挨拶運動,なかよし集会(いじめ見逃しゼロ集会),メディアとのつきあい方(家庭での約束,フィルタリング),ハートカード(温かいメッセージ)等』がこれまでの掲載内容である。時には,保護者・地域の声も載せフィードバックをすることで,取組への関心を高め,「共有・実践」の歩みを進めている。
3 地域・家庭との協働体制づくり
教育に対して熱意ある地域である。中学校区教育振興会議,サポート委員会,PTA家庭教育委員会等で,定期的に児童の様子を意見交換し,PTA会員が主体的に会を運営する機会もある。
児童の健全育成に向けて,活動を通しそれぞれが役割を担い,協働する雰囲気が積み上げられてきている。時には率直な意見から,計画の見直しを図っている。
また,中学校区では「家庭・地域・学校でつくる小中連携プラン」のポスターを作成し,共通の取組を地域・保護者に知らせ,相互に働き掛けている。 |