当校は平成24年年度当初、児童らの実態をとらえた時、様々な特性や生育歴を抱えた児童が多く在籍していた。一様に社会性(対人関係)に課題があると感じた。そこで、以下の手立てを講じ、社会性を育成することで、一人一人をかがやかせるために生徒指導上の諸問題の改善を試みると同時に、教職員の意識の改革を図ってきた。
1 学期毎に全校SSEを実施し、人間関係づくりの基本的なスキルを養う
3年間続けたことによって、職員の共通した指導を一層徹底することができ、児童は基本的なスキルを確実に身に付けてきている。特に平成25年度後半からは、全校SSEの学習活動が浸透し、職員の協力も強まり、共通した指導を一層徹底することができた。
基本的な生活習慣を一般化するためには、学校だけでなく家庭や地域においても協力を仰ぐ必要がある。全校SSEの取組については、ホームページやPTA広報、生徒指導だよりに掲載して発信した。
2 児童の関わり合いを重視した「関わり合って学ぶ授業」の実践
話す・聞くルールを徹底し、誰もが安心して話せる環境を確保してきた。その結果、落ち着いた学習集団になってきた。授業がある程度の規律の中、和やかな雰囲気で実施されており、NRTによる学力が向上してきたことは、評価すべき点と考える。関わり、学び合うよさを実感する児童が増えていった。教職員が学級や個々の課題を的確に捉え、何をねらってどう仕組むかを意識した授業を繰り返すことは、学校生活の基盤となる学級づくりにも大きく影響し、人間関係の質も向上していった。授業の中での社会性育成は、非常に有効であった。
3 小中連携・小小連携による連続性のある指導の実施
城北中学校区の連携の証として、子どもたちに身に付けさせたい「城北中学校区の4つの共通達成目標」を正式に決定し、中学校区全戸に配布した。「4つの共通達成目標」を定めることで、地域の方にも学校が目指したい子どもの姿が明らかになったと好評であった。
3年間様々な取組が、「廊下で会ったときのあいさつがよくなってきた」「授業中の態度が落ち着いてきた」「暴力行為や不登校児童の件数が減ってきた」等々、その効果は確実に現れてきている。社会性を育むことは、対人関係だけでなく、教育活動全体で成長が期待できることが分かってきた。 |