通常の学級における特別な教育的支援が必要な子どもを探るスクリーニングでは、44名が該当している。この子どもたちが、そのもっている能力を最大限に伸ばすためには担任の指導力向上とともに、適切な就学指導が大切であると考えている。
当校には、2つの特別支援学級と2つの通級指導教室ある。担当職員は、知識・経験ともに豊富であり、この人的資源を活用し、組織的に特別支援教育に取り組んでいる。
1 職員の意識と指導力の向上
職員は、通常の学級における特別支援教育に対する意識が必ずしも十分でなく、そのための指導の工夫も弱いところがあった。そこで、発達障害通級教室担当者を講師とし、次の3回の校内研修会を開催し、意識と指導力の向上をねらった。
・通常の学級で行う特別支援教育(発達障害通級指導教室の指導の実際、事例研修)
・学習のユニバーサルデザイン化その1(最近の子どもの変化、ユニバーサルデザインとは)
・学習のユニバーサルデザイン化その2(授業チェック、授業・学級経営に生かす)
2 校内委員会の整備
特別な支援を必要とする子どもの理解を深め、その子にとって一番よい支援の方法を検討するため、校内委員会を再構築して取り組んでいる。校内委員の中に支援チームをつくり、専門的なな知識と経験を有する職員をその中に入れて検討することにした。メンバーと役割は次のとおりである。
・校内委員会(管理職、コーディネーター、支提チーム)
支援の必要性と支援形態の判断
人的、物的な環境の調惟
支援チーム会議の企画、運営、連絡調整
・支援チーム(担任、校内委員会で決まった担当、保護者)
各種調査
保護者との相談、連絡、調整
指導方針の決定、指導計画の作成、評価と計画の修正
教室環境、教師の指示、学習習慣の指導、指導法の工夫等で、落ち着きが戻ってきた学級がある。また、支援チームに専門的な知識・経験を有する職員が入り、保護者との連携がスムーズにいく事例が増え、年度途中の特別支援学級への入級、通級指導教室への通級、個別の取り出し指導の実施があり、少しずつ特別支援教育が前進している。 |