1 学ぶ・変わる・いかす・ささえる・つなぐ
5つのキーワードで特別支援教育を推進する「学ぶ。 ・変わる」は、校長が先頭に立ち、学び変わることで、職員、保護者、子どもも学び変わるということである。「いかす」は、校内体制や特別支援教育コーディネーター(以下CO)、特別支援教育の手法を生かすということである。「ささえる・つなぐ」は、校長がリーダー、サポーターとして、職員と保護者、子どもを支え、校内及び外部との引継ぎや連携を図るということである。
2 当校の実態
本校は、旧白根市にある通常の学級6、特別支援学級1、児童数107名の小規模校である。農村地帯で3世代家庭が多いため、特別支援教育に対する偏見が根強く残っている。また、職員の理解も十分進んではいなかった。本年4月に着任した際、全校のおよそ5分の1が、「気になる子」という実態であった。しかし、校内体制が十分機能しておらず、個別の指導計画も不十分な状態だった。UDLの考え方に基づく取組もされていなかった。
3 取組の実際
学校の教育ビジョンを「特別支援教育を柱に据えたもの」に修正するとともに、学校運営方針にも明記した。そして、実践に取りかかった。
- 全校保護者会における教育ビジョンの説明(特別支援教育を受けることは権利であることを強調)
- 校内研修で特別支援教育に関する校長講話(インクルーシブシステムの構築、UDLに基づく分か
る授業づくり)
- スクリーニングの実施と個別の指導計画の形式変更指示
- 生徒指導とリンクした校内サポート委員会の開催(学期1回+随時)
- COと校長による教育相談の実施
この結果、職員の意識が高まり、UDLを取り入れる職員が増えてきた。また、新潟市特別支援教育サポートセンターにつなぐケースや、保護者からCOへの教育相談が増えるなど、校内組織が機能し始めてきた。
4 今後の課題
「言うは易し行うは難し」を実感する日々である。先日は、「おじいちゃんが特別支援学級を理解してくれない。」という保護者の話を聞いた。まだ、取組は緒に就いたばかりである。今後は、新潟市小学校長会の「特別支援教育のモデルプラン」の導入、中学校区の特別支援教育部会の活性化も含め、さらに特別支援教育の充実を図っていきたい。 |