1 はじめに
義務教育課から示されている「令和二年度版特別支援学級ガイドライン」には、「知的な障害を伴わない発達障害児の場合は、基本的に通常の学級での集団による指導になる。」と示されている。このガイドラインを受け、A児は通常学級に在籍することになった。
2 入学までの準備
保護者との面談は数回行った。在籍に関する相談、通常学級の授業の進め方等々、保護者の疑問に答えながら丁寧に説明を行った。
3 担任と特別支援教育コーディネーターとの連携
A児は自分の思ったとおりに行動しようとする傾向が強い。そのため、担任と特別支援教育コーディネーターとの連絡を密にした。入学前からA児の対応について何度か打合せを行い、入学後も連絡、相談を頻繁に行った。そのため、入学当初から比較的落ち着いて毎日を過ごすことができた。
4 組織で対応
鬼ごっこでトラブルになったり、学習時に気持ちが落ち着かず、教室から出て行ったりする様子が見られた。そのような時は、保健室で水を飲み、気持ちを落ち着かせてから話を聞き、教室に戻ることにした。この対応は担任だけでは難しいので、養護教諭、級外職員を中心に対応した。そのため、週に一回の職員集会等でA児の情報交換を確実に行い、対応への共通理解を図った。組織的な対応により、A児の心の安定を図るとともに、担任の負担軽減を図っている。
二学期には、A児が教室から出ることが増えたため、ケース会議を行った。特別支援教育コーディネーターを核として、短期目標と対応策を確認し、共通理解を図った。今後は、子ども発達支援所や関係機関との拡大ケース会議を行い、対応策を協議する。
5 終わりに
担任は「A児は、通常学級で学ぶことにより、人との関わり方をより広く学ぶことができると思います。」と話した。この思いがA児の成長を後押しするはずである。特別支援教育の担当者は全職員である。少しの成長を認め喜び、全ての職員で特別支援教育を推進していく。
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