新潟県小学校校長会
トップページ   サイトマップ
当会のご案内 県小代議員会 初等教育巻頭言 初等教育提言 調査報告
校長会報 大会記録 県内小学校ホームページ 新潟県小学校児童見舞金 リンク集
提言
   
 トップページ > 提言 > 特別支援教育 > 個別の支援とその評価
提言
個別の支援とその評価
燕西蒲・燕西小学校

1 はじめに
  終業式の日に子どもたち一人一人に渡す通知表。どこの学校の通知表でも、学習面の評価だけでなく生活面の評価も記載され、保護者の手元に届く。当校の通知表も同様である。基本は◎、○、△の三段階評価。親も子も当然◎が多ければ喜び、△がいくつもあればがっかりする。

2 個別対応の通知表
    特別支援学級の子どもたちの中には、生活・行動面での困り感をもっている子が多く、他の子と同じ観点の項目では生活面の評価が低くなることが多い。△ばかりで◎がほとんどない、このような通知表では子ども自身の自己肯定感は下がる一方である。
  この子にとって何が課題で、どのような支援が最適なのか。当校では、特別支援教育の原点でもある個々の困り感への対応を重視し、通知表の生活の記録の評価項目は一人一人の実態に応じて作成している。
  特別支援学級に在籍する児童の困り感は、多種多様である。衝動性を押さえるのが苦手なA児、友 達とのコミュニケーションが苦手なB児、困り感を感じる場面や内容は個々に違う。そのため、その児童が抱えている困り感を克服するためのめあてを個別の指導計画に明記し、指導を行っている。当校では、そこに記載されている内容を基に個々の生活の記録の評価項目を決めている。例えば、A児には「授業中、席に座って学習している」「最後まで話を聞いてから行動している」など、B児には「友達にやさし言葉で接している」「朝、教室で友達に自分からあいさつしている」などである。個に応じた項目なので◎もつきやすく、自己肯定感の向上にも寄与して いる。また、目指す姿を学校と家庭、児童本人とで共有でき、その進捗状況を確認できるよさもある。当校の特別支援学級には 40 名以上の児童が在籍しているが、その通知表は 二 つ として同じものがない、正に個別支援に対応した評価となっている。

3 おわりに
  蛇足ではあるが、私はいつも職員に「子どもの評価結果は職員の指導の結果の裏返し」と言い続けている。通知表の行動面の評価が△ばかりということは、その子に適した指導ができていないことの証しになる。一人一人の困り感に応じて指導法を考え、個別に支援していくことはとても大変なこ とである。しかし、その苦労の先に、子どもたちの目に見える成長があるのなら、おそらくこれ以上の喜びはない。個別の通知表は、教師にとってもよりよい支援を進めるための重要な指針となっている。

ダウンロードこのページのPDF版をダウンロードする (別のウィンドウが開きます)
このページのトップへ
新潟県小学校長会
事務局 〒950-0088 新潟市中央区万代1-3-30 万代シテイホテルビル3階 事務局所在地
TEL 025-290-2231 / FAX 025-245-6060 
Copyright c 2010 Niigata Prefecture Elementary School Principals' Association All rights reserved.
本サイトのコンテンツ等の著作権は新潟県小学校長会が保持します。教育的利用を除く、無断での転載・複製を禁止します。